「黒染めはブリーチしても狙い通りに明るくならない」と決めつけていませんか?実は薬剤のパワーそのものより、塗布量・放置時間・密封の使い方で結果は大きく変わります。今回は、独自検証で得た超ブリーチ塗布テクニックと、%別の弱ブリーチ配合レベル表をまとめて紹介します。
- 「薬剤が強いほど明るくなる」という固定概念は誤解で、塗布量・放置時間・密封の使い方が結果を左右する
- 超ブリーチ塗布技法を使えば、通常のブリーチ30分×6回に匹敵する明るさを1回の工程で目指せる
- オキシ濃度やライトナー配合を5%/20-30%/50%で調整する弱ブリーチなら、黒染めをダメージを抑えながら段階的に明るくできる
黒染めがブリーチで明るくなりにくい理由と昔ながらの固定概念
ブリーチ剤は各メーカーとも実は大きな差がありません。数年前から「ダメージを○%カットする」といった訴求のブリーチ剤が各社から出ていますが、実際に使い比べてみると性能差はごくわずかで、薬剤選びそのものに明るさの答えを求めるのは的外れといえます。
法律により薬剤のパワーには上限があるため、パワーを変えずにダメージだけを大きく減らせるブリーチ剤というものは存在しません。ここで重要なのは、「薬剤の強さ」ではなく「使い方」で結果に差をつけるという発想の転換です。
薬剤の強さだけでは解決しない理由
黒染めは通常のカラー剤よりも染料の粒子が髪の内部に強く定着しているため、同じブリーチ剤・同じオキシ濃度で施術しても脱染しにくい傾向があります。そのため「強い薬剤を使えば解決する」という考え方だけでは限界があり、塗布量や放置時間、密封といった施術プロセス側の工夫が明るさを左右します。
オキシ6%上限という国内基準
日本国内ではオキシ(2剤)の濃度は6%が上限と定められています。薬剤自体の上限が決まっている以上、明るさの差は「濃度の選び方」と「塗布・放置のプロセス」でつくるというのが本記事の考え方です。オキシの選び方・使い方についてより詳しく知りたい方は、オキシ(2剤)最安値とダメージを抑える使い方の記事も参考にしてください。
めちゃめちゃ明るくするブリーチ剤の使い方(超ブリーチ技法)
薬剤そのものの違いはほとんどないと述べましたが、使い方次第でブリーチ剤は大幅に明るく仕上げられます。私自身、何度も条件を変えながら検証を重ねてたどり着いた組み合わせです。ここでは実際に3種のブリーチ剤を比較検証した動画とあわせて、ポイントを整理します。
塗布量
塗布量は明るさを左右する最も重要な要素です。髪をしっかり沈める意識で塗布することで、薬剤の効果を無駄なく引き出せます。
放置時間の目安
ブリーチ剤のパッケージには30分と記載されているケースが多いですが、これまでの検証(2021年5月時点)では50分程度まで延長した方が明るさが出やすい結果になっています。毛髪状態を見ながら調整してください。
熱と密封のコツ
直接熱を加える必要はありませんが、ラップでしっかり密封することで体温と薬剤反応の熱がこもり、パワーが高まります。密封しすぎると頭皮に熱がこもりやすいため、施術中の様子見は必須です。
密封作業を効率化したい方には、業務用の幅広ラップが扱いやすいです。
ウェット・ドライ塗布の違い
ウェット時とドライ時を比較すると、ドライの状態で塗布した方が1トーンほど明るく仕上がる傾向があります。
これらを組み合わせた超ブリーチのやり方はこちらです。
通常のブリーチを30分放置×6回繰り返す方法に対して、超ブリーチのやり方であれば1回の工程で同程度の明るさに近づけられます。なお、この技法は現在も検証を継続している段階の技術です。似たように回数や配合を変えて明るさの違いを比較検証した例としては、ブリーチ1回・3回に赤で染めると?4種類検証しましたもあわせて参考にしてください。
ブリーチ剤のパワーを調節する方法(弱ブリーチ)
「オキシは6%でなければ効果が出ない」というのも思い込みのひとつです。オキシドールを通常の1.5倍程度に薄めた場合の検証結果は、以下の動画で確認できます。
オキシ濃度を落とした場合の明るさ検証
結果として、薄めたオキシでも明るさは出ます。黒染めの脱染に限れば、必ずしも6%のオキシが必要というわけではありません。濃度の検証や配合の調整には、業務用のパウダーブリーチが扱いやすいです。
%配合の検証をこれから試したい方には、業務用パウダータイプがおすすめです。
業務用パウダータイプで、%配合の検証やコントロールがしやすい薬剤です。
⚠️ 粉立ちしやすいため取り扱いに注意が必要で、頭皮に触れるとヒリヒリ感が出る場合があります。パッチテストをおすすめします。
Amazonで見るクリア・ライトナー混合による脱染ダメージ軽減
もうひとつの方法が、カラー剤のクリアやライトナーをブリーチ剤に混ぜる方法です。手触りを重視するならクリアで薄めるのが効果的で、5%程度混ぜれば脱染は始まり、心配な場合は50%まで比率を上げても脱染自体は問題なく行えます。仕上がりの手触りは、ブリーチ単体で脱染する場合と比べてはっきり違いが出やすいです。この配合の考え方は黒染め以外のカラーレシピにも応用でき、ブリーチあり?なし?「ネイビー系ヘアカラーの染め方まとめてみた」でも近い発想の配合比率を扱っています。
黒染めをダメージ抑えて明るくする配合レベル表
黒染めの脱染はブリーチ単体で行う必要はありません。ライトナーの薬剤はチャート上おおよそ14レベルの明るさが目安で、黒髪にライトナーを使うと平均11〜13レベル程度に落ち着きますが、黒染めにそのまま使ってもほとんど明るくなりません。そこにブリーチを配合比率を変えて混ぜることで、目指す明るさに近づけます。
🎯 弱ブリーチ配合レベル表(ライトナー+ブリーチ)
| 配合比率 | 目安の明るさ | 向いている人 |
|---|---|---|
| 5% | わずかに明るくする程度 | できるだけダメージを抑えたい人 |
| 20-30% | 8レベル程度 | 明るさとダメージのバランスを取りたい人 |
| 50% | 11〜13レベル程度 | できるだけ明るくしたい人 |
※あくまで目安であり、毛髪の状態や黒染めの回数によって個人差があります。
5%配合
少しだけ明るさを出したい場合の配合です。薬剤のパワーを抑える分、髪内部にしっかり届かせるための放置時間を長めに取る必要があります。
20-30%配合
8レベル前後を目指す場合の配合です。明るさとダメージのバランスを取りたいケースで扱いやすい比率です。
50%配合
11〜13レベル程度まで明るくしたい場合の配合です。比率が上がる分、脱染の進み方や頭皮への負担も見ながら進める必要があります。
根元・中間の時間調整
薬剤のパワーを抑えて明るくする方法は、大きく削って一気に明るくする発想ではありません。染料を少しずつ落としていくため、髪内部に薬剤が届くまでに15〜20分程度かかる計算になり、30分以上の放置が目安になります。根元はブリーチを少なめに、中間は多めにするなど、その時の毛髪状態を見ながら調節してください。
セルフでやっていい?サロンでの相談ポイント
ここまでの配合レベル表や超ブリーチ技法は、濃度・放置時間・密封の見極めが仕上がりを大きく左右するため、セルフでの再現はおすすめしません。実際にお客様に行う前に、まずはスタッフやウィッグでテストしてみるのが先です。
オキシ濃度やブリーチ配合を自己判断で大きく変えると、思わぬダメージや頭皮トラブルにつながる可能性があります。実際の施術は毛髪状態を確認できるサロンでご相談ください。
工程別に技術を体系的に学び直したい方には、こちらの専門書も参考になります。
「傷めたくないけど明るくしたい」という声はSNSやQ&Aサイトでもよく見られ、黒染めが抜けても綺麗に色が入るか不安に感じる方が多いようです。今回の配合レベル表と超ブリーチ技法は、そうした二律背反の悩みに応えるための実践的な選択肢になります。
よくある質問
💬 よくある質問
黒染めは本当にブリーチで明るくなりますか?
明るくなります。ただし黒染めは通常のカラーより脱染しにくいため、超ブリーチ塗布や複数回の施術が必要になるケースが多いです。
オキシは6%じゃないとダメですか?
脱染だけであれば6%は必須ではありません。オキシ濃度を落とした弱ブリーチでも、時間をかければ明るさを引き出せます。
セルフでこの弱ブリーチ配合はできますか?
配合や放置時間の判断が難しいため、セルフでの実施はおすすめしません。頭皮トラブルのリスクもあるため、サロンでの相談をおすすめします。
何回ブリーチすれば理想の明るさになりますか?
毛髪の状態や黒染めの回数によって個人差が大きいです。1回で仕上げようとせず、複数回に分けて明るさを確認しながら進めることをおすすめします。
ダメージを抑えるにはどのくらい時間を置けばいいですか?
薬剤が髪内部に届くまで15〜20分程度かかるため、弱ブリーチの場合は30分以上を目安に、様子を見ながら調整するのがポイントです。
まとめ
黒染めが明るくなりにくいのは薬剤が弱いからではなく、塗布量・放置時間・密封という使い方の工夫が結果を左右するためです。超ブリーチ塗布技法と、5%/20-30%/50%の弱ブリーチ配合レベル表を組み合わせることで、ダメージを抑えながら段階的に明るさを引き出せます。まずはスタッフやウィッグでの検証から試してみてください。
今回は、黒染めをダメージ抑えて明るくする方法を紹介しました。実際の毛髪で見てもらうのが一番早いので、気になる方はサロンでご相談ください。他にも「④髪の染め方」カテゴリでカラー関連の記事を多数書いていますので、あわせてご覧ください。