「思った通りのシルバーに染まらない」「薬剤通りに使ったのに紫やグレーになってしまう」――そんな経験のある美容師の方は少なくないのではないでしょうか?シルバーカラーは透明感のある仕上がりが魅力な反面、明るさと薬剤レベルの選び方を誤ると、狙った色にたどり着けないまま終わってしまいます。
- シルバーに染めるにはベースの明るさが17〜18トーン程度必要
- 白(20トーン)と地毛(5トーン)の中間、12.5トーン前後の薬剤を選ぶのが計算式のポイント
- ブリーチ回数・薬剤配合の考え方はメーカーを問わず応用できる
まえがき
今回は、髪の毛をシルバーに染める方法と、シルバーにならないカラーレシピについて紹介します。読み進めることで、なぜシルバーに染まらないのか、そしてシルバーに染めるために必要な要素は何かを理解していただけるかと思います。
同じくブリーチなしでのグレー系カラーに関心がある方は、⭕️ブリーチ無し「①グレー②グレージュ」染め方レシピもあわせてご覧ください。それでは本題に入ります。
シルバーに染めるために必要な髪の明るさ
まず初めに、髪の毛をシルバーに染めるために必要な髪の明るさから紹介します。
色で言うとペールイエロー・18トーン前後の目安
画像いちばん左の色がベースの状態です。このくらいの明るさがあれば、シルバーに染めることができます。色で言うならペールイエロー、明るさは18トーンくらいが目安です(実際には16トーンより上は感覚的な差になりやすい範囲です)。
ダメージレベルとしては、17〜18程度あるとシルバーに染まりやすくなります。関連して、⭕️黒髪からブリーチ1回でどれだけ明るく?放置10分〜60分で比較の記事もあわせて参考にしてみてください。
ヘアカラーでシルバーに簡単に染められるカラー剤を紹介
ヘアカラーのレシピといっても、使用するサロンの薬剤によって具体的な処方は変わってきます。そのため、まずは考え方から解説していきます。
今回使った薬剤はコレストンのシルバーです。私もコレストンのシルバーは好きなので、以前染めた事があるのですが、発色が綺麗です。(因みに単品3%だけで誰がやっても綺麗に染まります)
コレストンを扱っていないサロンでも問題ありません。考え方さえ理解しておけば、どこの薬剤でもシルバーに染めることができます。
元記事でも実際に使用した薬剤を試してみたい方には
ウエラ コレストンパーフェクト シルバー
元記事でも実際に使用された、紫みの発色が美しいシルバー用薬剤です。単品でも扱いやすい一方、明度設計を誤ると暗く沈みやすいため、配合比率の考え方を理解した上での使用がおすすめです。ご使用前はパッチテストを推奨します。
Amazonで詳細・価格を見るその方法をお伝えする前に、シルバーに染まらないパターンのレシピから紹介します。サロンでもありがちな失敗パターンです。
シルバーに染まらない時のレシピと失敗の原因
メラニンの影響で赤みが残る仕組み
ブリーチで明るくしても、髪の内部に残ったメラニン色素の影響で赤み・オレンジみが出やすいことがあります。メラニンは黒髪の中で黒〜赤系の色素として存在しており、ブリーチの回数が足りないとこの色素が完全に分解されず、シルバーの紫みを打ち消してしまう原因になります。
そのため、シルバーに染める前提として、ベースの赤み・オレンジみをどこまで抜けているかを見極めることがポイントです。
明度不足で紫・グレーになるケース
画像いちばん右が、よくある失敗パターンです。ブリーチで明るくしたものの、色を濃く入れすぎて失敗しているケースです。
使用した薬剤は、オルディーブのアディクシーのシルバー7です。
シルバーのレシピは、薬剤的に見ると紫みの青色で19番ですが、明度に気をつけないとシルバーには染まりません。この仕上がりでも1週間ほど経てばシルバーに近づいていきますが、施術当日は紫やグレーに見えてしまいます。
画像でも見えている通り、明度5以下の薬剤は黒っぽく仕上がります。7レベルはそこまでではありませんが、それでも暗めです(7レベルであれば白髪も染まるレベルです)。シルバーに染めるには、白髪に染まりきらない程度の薄い染料の明るさが必要になります。
シルバーに染めるレシピの考え方(薬剤問わず使えます)
まずは考え方から紹介します。
白とグレーの間のトーンを選ぶ考え方
結論から言うと、色は紫みの青ですが、明るさの選び方が肝心です。白とグレーの間のトーンを選択することがポイントになります。例えば、グレーであれば、ベースが明るい状態で黒髪と同じレベルの5トーンの無彩色に設定することで、きれいなグレーに仕上がります。
グレージュであれば、ベースに対して無彩色の位置にあたる9トーン付近の薬剤に合わせます。シルバーに染める際には、薬剤の明るさ12〜13レベルくらいの紫みの青を使う必要があります。
髪の毛の白は20トーン・地毛は5トーンという基準
それはなぜかというと、「白とグレーの間」だからです。もう少し詳しく理解するために、明るさの目安を見ていきましょう。
髪の毛の白は20レベル、地毛はおよそ5レベルです。グレーは、メラニン色素を削った後に5レベルで無彩色にする考え方になります。
計算式で導く12.5トーン
シルバーに染める際には、白とグレーの間に位置させる必要があります。単純に計算すると、次のようになります。
これはどの薬剤メーカーでも同じ考え方で色を作り、明るさを選んでベースを明るくしてあげれば対応できます。
1つでもズレるとその分仕上がりは変化しますが、ベースを見る目と頭の中にレシピさえあれば、それほど難しくなく考えられるようになります。
薬剤配合の考え方(差別化強化)
ブルー×アメジストなど配合比率の一般的な考え方
メーカーによってはシルバー単色の薬剤がラインナップにない場合もあります。その場合は、ブルー系とアメジスト(紫)系を配合して紫みの青を作るという考え方が一般的とされています。ブルーの分量を増やすほど青みが強くなり、アメジストを増やすほど紫みが強調される傾向があるとされています。
具体的な配合例としては、シルバーとアメジストを3:1〜1:1程度で配合する組み合わせが、現場でよく紹介される目安の一つとされています。黄ばみが強めに残っている場合はアメジストの比率を上げ、逆に緑みが出やすい場合はブルー系(サファイア等)を少量加えて調整するという運用もよく見られるようです。
配合比率は薬剤ブランドや設計思想によって差があるため、自サロンの薬剤で試し染めをしながら、12.5トーン付近の紫みの青に近づく組み合わせを見つけていくことがポイントです。
薬剤配合の考え方をさらに深掘りしたい方には
美容師が知っておきたい薬剤成分用語まるわかりBOOK
カラー剤やパーマ剤に配合される成分用語を約2000語収録した、同業美容師向けの専門書です。薬剤配合の考え方をさらに深掘りしたい方の副教材として役立ちますが、具体的な配合レシピ集ではなく用語解説書である点は押さえておきましょう。
Amazonで詳細・価格を見るブリーチ回数の目安
黒髪や暗めのベースからシルバーに必要な17〜18トーンまで明るくする場合、1回のブリーチでは届かないことも珍しくありません。髪の状態やダメージレベルを見ながら、2〜3回に分けて明るさを積み上げていく方法がよく用いられています。
目安として、1回のブリーチで到達しやすい明るさは11〜15トーン前後(平均的には14トーン前後)と言われることが多く、2回目以降はさらに2〜4トーン程度明るくなるケースが一般的とされています。髪質やカラー履歴によって個人差が大きいため、あくまで目安として捉えてください。
ブリーチの回数ごとにどの程度明るさが変わるかについては、⭕️ブリーチ1回、3回にエドルのグレージュを考察(7レベルと11レベルで比較)でも具体的に比較していますので、あわせて参考にしてみてください。
ブリーチはメラニンを分解する過程で、髪内部のタンパク質やCMC(細胞間脂質)も一緒に失われやすいとされています。1回でもキューティクルが開き、パサつきや切れ毛のリスクが上がりやすく、回数を重ねるほど負担は蓄積していきます。オキシ濃度を下げる、放置時間を適切に管理する、プレックス系(ボンド構築剤)を活用する、間隔を空けて段階的に明るくするといった工夫が、負担を抑えるポイントとしてよく挙げられます。
複数回のブリーチは髪への負担が大きくなります。1回あたりの放置時間やダメージレベルを見極めながら、回数を重ねすぎないよう調整することが大切です。
シルバーカラーの色持ち・色落ち後のケア
シルバーカラーは紫みが徐々に抜けていくため、色落ちが進むとイエロー味の黄ばみが目立ちやすくなります。ムラシャン(紫シャンプー)を使ったホームケアを取り入れることで、黄ばみを抑えて色持ちの印象を保ちやすくなります。
使用頻度の目安としては、2〜3日に1回程度が基本とされることが多く、ブリーチ直後〜2週間程度は色が入りやすいため、やや控えめの頻度から様子を見るという運用もよく見られます。放置時間は5〜10分程度が目安とされ、初めて使う場合は3〜5分程度からスタートし、黄ばみの強さに応じて調整していく形がよいとされています。
- 予洗いをしっかり行う
- 手のひらで泡立ててから髪に塗布する(直接塗ると色ムラの原因に)
- 泡を軽く揉み込んで放置する
- しっかりすすいで色移りを防ぐ
- 仕上げにトリートメントで保湿する
Yahoo!知恵袋などでも「色落ち後、シルバーを維持するにはムラシャンをどう使えばいいか」という声が見られます。また「ブリーチしてからどのくらいの間隔でシルバーカラーをすればいいか」というタイミングに関する疑問も見られるようです。
色落ち後の黄ばみが気になる方には
美容室専売品 ネオシルバーアッシュシャンプー MOUTON
ブリーチ後のシルバー・アッシュ系カラーの黄ばみ除去と色持ちに特化したサロン専売シャンプーです。発色の濃さと使用感の評価が高い一方、色移りしやすい・一度では白髪が染まりきらない場合があるという声も見られます。肌に合わない場合は使用を中止してください。
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💬 よくある質問
シルバーカラーはブリーチなしでも染まりますか?
ベースが暗いとシルバーには発色しにくく、17〜18トーン程度まで明るくするブリーチが必要になるケースがほとんどです。
ブリーチは何回すればシルバーになりますか?
髪質やダメージレベルによって差はありますが、1回で届かない場合は2〜3回に分けて明るさを調整するケースが多いようです。
シルバーが色落ちしたら何色になりますか?
紫みが抜けやすいため、色落ちが進むとイエロー味の黄ばみが出やすくなる傾向があります。
色落ち後もシルバーを維持するにはどうすればいいですか?
紫シャンプーなどのムラシャンを2〜3日に1回、5〜10分程度を目安に取り入れることで、黄ばみを抑えて色持ちの印象を保ちやすくなります。
シルバーとシルバーアッシュの違いは何ですか?
シルバーは紫みの強い透明感、シルバーアッシュは青みを含みグレーに近い落ち着いた印象に仕上がる傾向があります。
まとめ
シルバーに染めるためには、17〜18トーン前後までベースを明るくすることと、白(20トーン)と地毛(5トーン)の中間となる12.5トーン前後の紫みの青を選ぶことがポイントです。この考え方はどの薬剤メーカーでも応用でき、配合比率やブリーチ回数を調整しながら、狙った透明感に近づけていくことができます。
あとがき
いかがでしたか。基本的に、自分で実際に試し、目で見て確認したことでしか、頭の中のレシピは完成しません。この考え方のもとになった動画を貼っておきます。
さまざまな考え方がある中の1つのパターンを紹介してみました。今後もこのブログで紹介していきたいと思いますので、よろしければお付き合いいただければと思います。カラーについてはラベル「④髪の染め方」から他の記事もご覧いただけますので、よろしくお願いします。






