美容所の開設届とは?(第11条の基本)
開設には事前届出と構造設備の検査確認が必須で、違反すると30万円以下の罰金です。
美容師法第11条では、美容所を開設しようとする者は、あらかじめ都道府県知事(保健所設置市では市長、特別区では区長)に届け出なければならないと定めています。しかし、書類を出せばすぐにお店を開けられるわけではありません。
国家試験で最も問われるのは、「使用開始のタイミング」です。届出後、その構造設備が政令で定める基準(衛生措置など)に適合しているかどうかの検査を受け、その確認を受けた後でなければ、その美容所を使用してはいけません。
試験に出る!開設の「順序」と「タイミング」
「届出」→「検査」→「確認」→「使用開始」の順序は国家試験の超頻出ポイントです。
このフローチャートは絶対に暗記してください。過去問では、この順序を入れ替えた誤り選択肢(例:使用開始後に届け出た)が頻出です。
📋 国家試験公認:美容所開設の4ステップ
開設の届出 (営業開始前)
立入検査 (保健所職員による)
確認 ➡ 使用開始 (適合証の交付)
必須となる「添付書類」の暗記ポイント
医師の診断書や平面図など、届出に必要な書類リストと条件を正確に暗記しましょう。
開設届には、以下の書類を添付する必要があります。特に「診断書の種類」と「管理美容師」は試験のひっかけポイントです。
📊 開設届の主な添付書類
| 書類名 | 詳細・注意点 |
|---|---|
| 施設の平面図 | 構造設備(面積、椅子、消毒設備など)を確認するため。 |
| 従業者名簿 | 美容師全員の氏名、登録番号などを記載。 |
| 医師の診断書 | 結核・伝染性皮膚疾患の有無に関するもの。 ※「精神の機能の障害」ではない点に注意(免許申請時と違う!) |
| 管理美容師資格 | 美容師が常時2名以上いる場合に必須(講習会の修了証)。 |
免許申請時の診断書は「精神の機能の障害」がメインですが、開設届の診断書は「結核・伝染性皮膚疾患」です。感染症予防が目的だからです。
変更・廃止の届出ルール
開設事項の変更や廃止時は、「速やかに」保健所へ届け出る必要があります。
「開設」は事前ですが、「変更」と「廃止」は事後報告でOKです。この「あらかじめ」か「速やかに」かの違いは、関係法規の鉄板問題です。
- 🔵 開設(Article 11) → あらかじめ(使用開始前)
- 🟠 変更・廃止(Article 11-2) → 速やかに(事由発生後すぐ)
変更の届出が必要な例としては、開設者の氏名・住所の変更、美容所の名称変更、従業者(美容師)の変更、構造設備の変更などがあります。
効率的な暗記テクニック
開設の流れと必要書類は、ストーリーと語呂合わせでセットで覚えるのが近道です。
以下の語呂合わせで、開設届に必要な重要項目(結核・皮膚疾患の診断書、管理美容師)を覚えましょう。
練習問題(国家試験対策)
過去問では「使用開始の時期」と「必要書類の有無」が繰り返し問われています。
【第44回 関係法規・制度】
美容所の開設に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1. 美容所を開設しようとする者は、開設後速やかに都道府県知事に届け出なければならない。
- 2. 開設者は、美容師である従業者の数が2人以上である場合、管理美容師を置かなければならない。
- 3. 美容所を開設しようとする者は、開設の届出の際に、精神の機能の障害に関する医師の診断書を添付しなければならない。
- ✅ 4. 開設者は、開設の届出事項に変更が生じたときは、速やかに都道府県知事に届け出なければならない。
よくある質問(FAQ)
受験生が疑問に思う「管理美容師」や「診断書」の細かい規定を解説します。
- Q1. 開設届を出せば、検査前でもプレオープンしていいですか?
- いいえ、絶対にダメです。法律上、構造設備の検査を受け、「確認」の処分を受けた後でなければ使用できません。友人やモデルを呼ぶ場合でも、営業行為(業として行う)とみなされる場合は違反となります。
- Q2. 管理美容師は、美容師が1人のときは必要ありませんか?
- はい、美容師が常時1人(自分だけ、または自分+受付スタッフ等)の場合は不要です。「美容師である従業者」が常時2人以上いる場合に必要となります。
- Q3. 開設届の診断書は、免許申請時の診断書を使い回せますか?
- 通常はできません。免許申請用は「精神機能」が主ですが、開設届用は「結核・皮膚疾患」の証明が主だからです。また、診断書には有効期限(通常3ヶ月以内)があります。
まとめ
開設届は「事前」、変更・廃止は「速やか」という時間軸を軸に整理しましょう。
美容師法における美容所の開設は、公衆衛生を守るための重要な手続きです。国家試験では、手続きの順序と添付書類の正確な知識が求められます。
- ✅ 届出は営業開始前(あらかじめ)に行う。
- ✅ 検査確認を受けるまで営業不可。
- ✅ 診断書は結核・伝染性皮膚疾患用。
- ✅ 変更・廃止は速やかに届け出る。
これらを確実に押さえて、関係法規の得点源にしてください!
🔍 最新情報の確認をお忘れなく
美容師法や衛生基準は、法改正や社会情勢により変更されることがあります。本記事の情報は投稿時点のものであり、古くなっている可能性があります。
⚠️ 受験直前には、必ず以下の公式サイトで最新の試験要項・出題基準・法令をご確認ください。
• 理容師美容師試験研修センター(試験要項・過去問)
• 厚生労働省(美容師法・関係法令)
• 通学中の美容専門学校(最新教科書)
※本記事の情報に基づいて生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。
📚 参考文献
- 厚生労働省「美容師法概要・関係法令」
- 公益財団法人理容師美容師試験研修センター「過去試験問題」
- 各都道府県保健所「美容所開設届出の手引き」
※本記事は美容師国家試験の学習を補助する一般情報です。健康上の問題(アレルギー、皮膚疾患等)については専門の医師に相談してください。
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