骨格ストレート×薄毛メンズのパーマでボリュームUP

読了時間:約10分 | 難易度:★★★☆☆(中級者向け)
この記事の結論: 骨格ストレート×薄毛の悩みは「トップ限定」の計算されたパーマで解決できる!
骨格ストレート×薄毛メンズのパーマでボリュームUP

骨格ストレート×薄毛メンズのパーマという難題

骨格ストレートと薄毛の悩みは、パーマで両立可能です。美容師歴20年以上「髪技屋さん」の私から見ても、この組み合わせは非常に難易度が高いお悩みです。「骨格ストレート」は、上半身に厚みがあり筋肉質。そのため、サイドが膨らむヘアスタイルは着太りして見えがちで、すっきりとしたIラインのシルエットが似合います。一方で「薄毛」のお悩みは、トップにボリュームを出して地肌をカバーしたいというご要望がほとんどです。

「ボリュームを出す」パーマと、「ボリュームを抑える」骨格ストレート。この一見矛盾する2つの要素をどう両立させるのか。多くの方が「パーマをかけたら頭が大きく見えそう」「逆に地肌が目立ったらどうしよう」と不安に感じています。

この記事では、私のサロン経験に基づき、骨格ストレートのメンズが薄毛をカバーしつつ、スタイリッシュに見える「最適なパーマ」の見つけ方を徹底解説します。自己診断から、具体的なパーマの種類、失敗しないオーダのコツまで、あなたの悩みを解決するヒントが必ず見つかります。

薄毛カバーとパーマの基礎知識

パーマは薄毛を隠す有効な手段ですが、薬剤と技法の理解が必須です。まず知っておいていただきたいのは、パーマが薄毛を「治す」ものではなく、「目立たなくする」技術であるという点です。髪の毛にカールやウェーブをつけることで、髪同士の間に空間が生まれ、全体のボリュームがアップして見えます。これにより、地肌が透けるのを防ぎ、トップの寂しさをカバーできます。

しかし、よく「パーマはハゲる」という噂を聞きますが、これは正確ではありません。私の経験上、パーマ液が直接的な脱毛(ハゲ)の原因になるという科学的根拠は認められていません。ただし、アルカリ性の薬剤が頭皮に過度な刺激を与えたり、施術の頻度が高すぎたりすると、頭皮環境が悪化し、抜け毛や切れ毛のリスクを高める可能性はあります。特に薄毛が気になる方は、頭皮への負担が少ないパーマを選ぶべきです。2025年のトレンドとしても、髪への優しさを重視した技法が注目されています。

「クリープパーマ」とは: 髪が濡れている状態と乾いている状態の中間の「湿熱」を利用するパーマ技法です。薬剤の力を最小限に抑え、蒸気の力でカールを固定します。ダメージが少なく、柔らかく弾力のあるカールが出やすいのが特徴で、薄毛や細毛の方に適しています。

パーマには様々な種類がありますが、薄毛が気になるメンズに特におすすめなのは以下のタイプです。

🎯 薄毛カバーに適したパーマ比較表

パーマ種類 特徴 向いている髪質・悩み 価格目安
コールドパーマ (ポイントパーマ) 最も一般的。熱を使わず薬剤のみでかける。トップだけなど部分的にかける「ポイントパーマ」に最適。 トップのボリュームが少し欲しい方。コストを抑えたい方。 ¥4,000~¥8,000 (ポイントの場合)
クリープパーマ 湿熱と蒸気を利用し、少ない薬剤負担でかける。柔らかく弾力のある仕上がり。 細毛・軟毛・ダメージ毛。頭皮への負担を最小限にしたい方。 ¥10,000~¥15,000
デジタルパーマ 熱を加えて形状記憶させる。乾いた時にカールが強く出る。持続性が高い。 髪が硬くパーマがかかりにくい方。スタイリングを楽にしたい方。⚠️ただし根元ギリギリにはかけられない。 ¥12,000~¥18,000

骨格ストレートで薄毛の方は、全体にかけるよりも、必要な部分にだけかける「ポイントパーマ」や、ダメージを抑えた「クリープパーマ」が最適解となるケースが多いです。

診断ガイド:あなたの「骨格」と「薄毛レベル」を知る

最適なパーマは、骨格ストレートの特徴と薄毛の進行度で決まります。まずは自分の状態を客観的に把握しましょう。以下のセルフチェックリストで、ご自身のタイプを確認してみてください。

📋 骨格&薄毛レベル セルフチェックリスト

診断項目 チェックポイント 診断
骨格診断 首はどちらかというと短い。 3つ以上当てはまれば 「骨格ストレート」 の可能性が高い
上半身(胸板や肩周り)に厚みがあり、筋肉質。
Tシャツ1枚だと、たくましく見えすぎる(着太りしやすい)。
薄毛レベル診断 髪が細くなり、ハリ・コシが減ってきた。スタイリングしてもトップが潰れやすい。 レベル1:初期 (ボリュームダウン型)
つむじ周りや分け目の地肌が、光に当たると透けて見えるようになってきた。 レベル2:中期 (地肌透け型)
M字部分の後退が目立つ、または頭頂部の地肌がはっきりと見える。 レベル3:進行期 (M字・O字型)

骨格ストレートの方は、サイドのボリュームをいかに抑えるかが鍵です。そして薄毛レベルが上がるほど、パーマで「隠す」のではなく、「毛流れでぼかす」技術が重要になります。

診断結果別:骨格ストレート×薄毛レベルに最適なパーマスタイル

診断結果に基づき、サイドを抑えトップに動きを出すスタイルを選びましょう。骨格ストレートの「似合う」と、薄毛カバーの「欲しい」を両立させる、具体的なパーマスタイルを紹介します。共通する鉄則は「サイドは刈り上げるか短く抑え、トップに限定してパーマをかける」ことです。

🎯 骨格ストレート×薄毛レベル別 おすすめパーママトリクス

薄毛レベル おすすめパーマ スタイルの特徴 骨格ストレートへの効果
レベル1:初期 (ボリュームダウン型) 根元立ち上げ ポイントパーマ トップ(つむじ周り)のみにロッドを巻き、根元を「クッ」と立ち上げる。カールはほぼつけない。 サイドは抑えたまま、トップに高さを出し、縦長のIラインシルエットを強調できる。
レベル2:中期 (地肌透け型) 弱めスパイラル ポイントパーマ トップ中心に、毛流れを作る程度のゆるいスパイラルをかける。毛先を散らして地肌をぼかす。 サイドはツーブロックでタイトに。トップの毛流れがアクセントになり、視線を上に集める。
レベル3:進行期 (M字・O字型) ニュアンスパーマ (毛先中心) カールを狙うのではなく、毛先にランダムな動きをつける。前髪を上げるアップバングとの相性が良い。 潔く短くし、毛先の動きでカバー。厚みを抑えたベリーショートが骨格にマッチする。

レベル1(初期)向け:根元立ち上げポイントパーマ

まだ地肌は見えないものの、トップが潰れやすくなってきた方におすすめです。この段階では、カール(巻き)は必要ありません。重要なのは「根元の立ち上がり」だけです。サロンでは「トップにだけ、カールがつかない程度に、根元が立ち上がるようにかけてほしい」とオーダーしてください。これだけで、スタイリングの持ちが劇的に変わります。

レベル2(中期)向け:弱めスパイラルポイントパーマ

つむじ周りや分け目が気になり始めた方には、毛流れでぼかす技術が有効です。ただし、骨格ストレートの方が強いスパイラルパーマをかけると、頭が大きく見えて失敗します。あくまで「サイドはツーブロックで刈り上げ、トップにだけ弱くかける」ことが絶対条件です。ゆるい毛流れが生まれることで、視線が地肌に行かなくなります。

レベル3(進行期)向け:毛先ニュアンスパーマ

M字やO字がはっきりしてきた場合、パーマで「隠す」のは逆効果になることがあります。カールが強すぎると、かえって地肌が目立ってしまうからです。このレベルでは、全体を短く(ベリーショート)にし、毛先にだけごく弱いパーマで動きをつけ、スタイリング剤で束を作るスタイルがおすすめです。骨格ストレートの方は短髪が似合うため、むしろ潔いショートスタイルが馴染みます。

自宅で再現!ボリュームアップ・スタイリング術

パーマの仕上がりは、乾かし方とスタイリング剤で決まります。特に薄毛カバーのパーマは、根元の立ち上がりをキープすることが最重要課題です。私のサロンでも指導している、簡単な3ステップを紹介します。

📋 パーマスタイリング3ステップ

STEP1

ドライ(根元起こし) タオルドライ後、ドライヤーの風を下から当て、髪の生え際と逆方向に指でこするように乾かし、根元を立ち上げます。

STEP2

スタイリング剤塗布 ワックス等を手のひらに薄く伸ばし、トップの髪を握るように揉み込みます。決して地肌にはつけないでください。

STEP3

毛流れ調整 指先でトップの毛束をつまみ、毛流れを整えます。最後にハードスプレーを遠くから軽く吹きかけると、立ち上がりが一日持続します。

推奨スタイリング剤

薄毛・細毛の方のスタイリング剤選びは、「重さ」との戦いです。オイルや重いワックスは、せっかく立ち上げた根元を潰してしまいます。「軽い質感でキープ力がある」ものが最適です。

私のサロン経験上、パーマの質感を出しつつボリュームを維持するには、ファイバー系ワックスやムースが適しています。 例えば、ミルボン「プレジュームワックス 7」は、Amazonで約800件以上のレビューがあり、平均評価は★4.3(2025年10月時点)です。伸びが良く軽いファイバー系で、根元を潰さずに束感を作れる点が評価されています。

→ PR⭐公式・Amazonで「ミルボン プレジュームワックス 7」を探す

また、よりナチュラルなツヤと毛流れが欲しい場合は、リップス(LIPPS) 「ベーススタイリングオイル」も良い選択肢です。Amazonでのレビューは約1,000件を超え、平均評価は★4.2(2025年10月時点)。重すぎないテクスチャで、パーマのパサつきを抑えながら自然な毛流れを作れると人気です。ただし、つけすぎると重くなるため、⚠️ごく少量を毛先中心につけるのがコツです。

→ PR⭐公式・Amazonで「LIPPS ベーススタイリングオイル」を探す

🎯 スタイリングの3つのポイント

  • ドライヤーは必ず根元(下)から風を当てる
  • スタイリング剤は「重すぎない」ものを選び、地肌につけない
  • 仕上げはハードスプレーでキープ力を高める

美容師が教えるプロのコツとNG行動

骨格ストレート×薄毛のパーマは「やりすぎない」ことが最大のコツです。ボリュームが欲しいあまり、カールを強くしすぎると、骨格ストレートの持つ「すっきり感」が失われ、頭が大きく見えてしまいます。さらに最悪の場合、地肌が余計に目立つことになります。

⚠️ 必ずお読みください:パーマ頻度の罠

トップの立ち上がりが弱まると、すぐにパーマをかけ直したくなりますが、絶対に我慢してください。薄毛が気になる方のパーマ頻度は、最短でも2ヶ月、理想は3ヶ月に1回です。高頻度で薬剤を頭皮に触れさせると、頭皮環境が悪化し、かえって薄毛を進行させるリスクがあります。パーマが落ちてきたら、スタイリングでカバーする期間を設けましょう。

⚖️ 骨格ストレート×薄毛カバーのNG vs OK

❌ NG例
  • 全体に均一な強いパーマ(頭が膨らむ)
  • サイドまでカールがある(骨格に合わない)
  • カールが強すぎて地肌が露出する
  • 重いスタイリング剤で根元が潰れる
✅ OK例
  • トップ限定のポイントパーマ
  • サイドはツーブロックでタイトに抑える
  • 毛流れで地肌を「ぼかす」弱めのカール
  • 軽いワックスで根元を立ち上げる

サロンでのオーダー方法のコツ

このお悩みを正確に伝えるのは難しいものです。以下の3点をそのまま美容師に伝えてください。

  1. 「骨格ストレートで頭が大きく見えやすいので、サイドのボリュームは絶対に出したくありません
  2. 「トップ(つむじ周り)のボリュームがなく、地肌が透けるのが悩みです」
  3. 「カールでぐるぐるにするより、根元の立ち上がりと、地肌をぼかす毛流れが欲しいです」

可能であれば、この記事で紹介したような「サイドが短く、トップに動きがある」スタイル写真を見せるのが一番確実です。

失敗時のリカバリー方法

カールが弱すぎた(立ち上がらない)場合

パーマは施術後48時間は定着していません。もし弱すぎると感じても、すぐにかけ直すのは厳禁です。最低でも1〜2週間は様子を見てください。その間は、ドライヤーでの根元起こし(STEP1)を徹底し、ハードスプレーで固めることで対応します。ダメージを最小限にするため、かけ直しは1ヶ月以上空けるのが賢明です。

ボリューム過多(頭が大きくなった)場合

骨格ストレートの方に最も多い失敗です。これはカットで調整するしかありません。サイドの膨らみが原因なら、ツーブロックの幅を広げたり、刈り上げを高くしたりして、タイトに削ってもらいます。トップが膨らみすぎた場合は、パーマを落とす(ストレートパーマ)とボリュームがゼロになり薄毛が目立つため、毛量を減らす「すきバサミ」でカール感を間引いてもらうのが良いでしょう。

よくある質問(FAQ)

パーマと薄毛に関する疑問は、正しい知識で不安を解消しましょう。私のサロンで、薄毛を気にするお客様から特によく頂く質問をまとめました。

Q1. パーマをかけると薄毛(ハゲ)が進行しますか?
A1. 直接の因果関係はありません。パーマ液が毛根を破壊して髪を生えなくさせる、ということはありません。ただし、薬剤が頭皮に付着することで刺激となり、炎症やかゆみを引き起こす可能性はあります。頭皮環境の悪化は抜け毛につながるため、頭皮が荒れている時の施術は避ける、刺激の少ない薬剤(クリープパーマなど)を選ぶ、といった配慮が重要です。
Q2. パーマとヘアカラーは同時にできますか?
A2. ⚠️ 絶対に避けてください。どちらも髪と頭皮に大きな負担をかける施術です。同日に行うと、ダメージが深刻化し、切れ毛やパサつきがひどくなるだけでなく、頭皮トラブルのリスクも激増します。必ず最低でも1週間、できれば2週間は間隔を空けてください。順番としては、パーマを先に行い、色落ちが落ち着いてからカラーをするのが一般的です。
Q3. パーマの頻度はどれくらいが適切ですか?
A3. 薄毛が気になる方の場合、頭皮と髪を休ませる期間が不可欠です。最短でも2ヶ月、理想は3ヶ月に1回程度を推奨します。カットは毎月行っても問題ありませんが、パーマ(薬剤使用)の頻度はできるだけ空けることが、長期的に見て健康な髪を保ち、薄毛カバーを続ける秘訣です。

まとめ

骨格ストレートのメンズが薄毛をカバーするためのパーマは、「全体にボリュームを出す」のではなく、「不要なサイドのボリュームを削り、必要なトップにだけ動きをつける」というメリハリ(Iライン)が全てです。

この難易度の高いお悩みを解決するには、ご自身の骨格と薄毛レベルを把握し、信頼できる美容師に「ポイントパーマ」や「根元立ち上げ」など、具体的なオーダーを伝えることが不可欠です。特に骨格診断に基づいたヘアスタイルの選定は重要です。

パーマは、正しく付き合えば薄毛の悩みを劇的に改善してくれる強力な武器になります。この記事で紹介した診断ガイドとスタイリング術を参考に、あなたに最適なボリュームアップ・パーマスタイルを見つけてください。

私のYouTubeチャンネル「髪技屋さん」では、動画でパーマスタイリングの手順や、薄毛カバーのカット技術なども詳しく解説しています。ぜひそちらもご覧ください。

📚 参考文献

  • ミルボン公式サイト(製品情報)
  • 日本ヘアカラー工業会(薬剤に関するガイドライン)
  • HOT PEPPER Beauty マガジン(メンズ骨格診断トレンド)

※本記事は一般情報であり、医療アドバイスではありません。アレルギーや症状が気になる場合は医師に相談してください。

この記事が役立ったら、美容師仲間とシェアして技術を高め合いましょう!

#パーマ #メンズ薄毛 #骨格ストレート #ボリュームアップ #メンズヘアスタイル #スタイリング

【髪技屋さんのプロフィール】

■ 美容師歴・実績: 20年以上のベテラン美容師。🏆 全国大会入賞、📝 美容専門誌掲載の実績を持つ。

■ 活動内容: 髪の知識・技術全般の講師としても活動。プロも支持する技術で髪の悩みを解決。

■ YouTube: 動画数 1200本以上、総再生回数 2700万回、登録者 3.8万人を達成。

■ ブログ: 記事数 700本以上。ヘアケア、カラー調合、骨格別ヘアなど、髪のあらゆる疑問を解決。