はじめに:面長だからこそパーマで「似合う」は作れる
面長さんがパーマで失敗しない鍵は「縦」ではなく「横」のボリュームを出すことです。顔の縦のラインが強調されやすい面長さんは、パーマが似合わないと思われがちです。しかし、私の美容師歴20年以上の経験から言っても、それは大きな誤解です。2025年のトレンドである「韓国風ウェーブ」や「ニュアンスパーマ」は、まさに面長さんの悩みをカバーするのに最適なスタイルです。
「パーマをかけたら、余計に顔が長く見えそう」「ボリュームが出すぎて失敗するのが怖い」といった不安を抱えている方も多いでしょう。この記事では、なぜ面長さんに横幅が必要なのかという理論から、具体的なおすすめスタイル3選、さらには失敗しないオーダのコツまで、プロの視点で徹底的に解説します。
この記事を読めば、あなたに似合うパーマスタイルが明確になり、自信を持って美容室でオーダーできるようになるはずです。
面長さんのパーマ選び|似合う・似合わないの境界線
面長さんが目指すべきは「ひし形シルエット」であり、頬周りのボリュームが鍵です。パーマには大きく分けて、熱を使う「デジタルパーマ」と熱を使わない「コールドパーマ」の2種類があり、それぞれ仕上がりの特徴が異なります。まずは、面長さんが避けるべきスタイルと、パーマの基本種類を理解しましょう。
面長さんが避けるべき「NGパーマ」とは?
面長さんがパーマで失敗する最大の原因は、⚠️ 顔の縦のラインを強調してしまうことです。具体的には以下の2点に注意が必要です。
- トップ(頭頂部)にボリュームを出すスタイル: 頭のてっぺんが高くなると、その分だけ顔が長く見えてしまいます。
- カールの位置が高すぎる、または低すぎるスタイル: 頬周りにボリュームがなく、トップや毛先だけに動きがあるスタイルは、縦長の印象を助長します。
特に、前髪なしのストレートロングヘアに毛先だけのワンカールパーマをかけると、最も縦のラインが目立つため注意が必要です。
「コールド」と「デジタル」どっちを選ぶ?
パーマの種類によって、得意なスタイルや質感が異なります。面長さんが得意な「横幅を出すカール」を作るには、どちらの特性も理解しておくことが重要です。
🎯 パーマ種類別 比較マトリクス
| 特徴 | デジタルパーマ (ホット系) | コールドパーマ (非ホット系) |
|---|---|---|
| カールが出る瞬間 | 乾いた時 | 濡れている時 |
| 得意なスタイル | 巻き髪風、大きめウェーブ、韓国風 | ニュアンス、根元の立ち上がり、細かめウェーブ |
| 持続期間 (目安) | 約2〜3ヶ月以上 | 約1.5〜2.5ヶ月 |
| 施術時間 (目安) | 約2.5〜3時間 (カット込) | 約2〜2.5時間 (カット込) |
| 価格目安 (カット別) | 10,000円〜18,000円 | 7,000円〜12,000円 |
| 面長さんへの適性 | 頬周りに弾力カールを作りやすい (◎) | 柔らかいニュアンスで横幅を出しやすい (○) |
似合うスタイル診断|顔型・髪質セルフチェック
自分に似合うパーマは「顔型」「髪質」「前髪」の3つの要素で決まります。なぜなら、同じ面長さんでも、髪が細いか太いか、前髪があるかないかで、最適なカールの強さや位置が変わってくるからです。まずはご自身の状態を客観的にチェックしてみましょう。
🎯 似合うパーマ診断セルフチェックリスト
| 診断項目 | チェックポイント | あなたのタイプは? |
|---|---|---|
| 顔型 (面長) | 顔の「縦の長さ」が「横幅」よりも明らかに長い。頬がこけやすい、またはスッキリしている。 | A (面長) |
| 髪質 | B: 髪が細く柔らかい(猫っ毛)。パーマがかかりにくい、または取れやすい。 C: 髪が太く硬い(剛毛)。ボリュームが出やすい。パーマはかかりやすいがゴワつくことも。 | B / C |
| 前髪の有無 | D: 前髪あり(おでこが隠れている)。 E: 前髪なし(おでこが出ている)。 | D / E |
| ダメージレベル | F: ダメージ小(ほぼバージン毛、カラー1回程度)。 G: ダメージ大(ブリーチ毛、ハイカラーを繰り返している)。 | F / G |
診断結果が出たら、次のセクションであなたに最適なスタイルを見ていきましょう。
- 細毛・軟毛さん (タイプB) の場合: パーマがだれやすいため、デジタルパーマで弾力のあるカールを作るか、コールドパーマでやや強めにかけるのがおすすめです。ボリュームが出にくい分、頬周りにしっかり動きを出すとバランスが取れます。
- 太毛・硬毛さん (タイプC) の場合: ボリュームが出すぎる可能性があるため、コールドパーマで柔らかい質感のニュアンスを出すか、デジタルパーマで大きなカールを低い位置に入れるのがおすすめです。広がりを抑えるオイル系スタイリング剤が必須です。
- 前髪あり (タイプD) の場合: 前髪がおでこを隠すことで、すでに顔の縦幅がカバ―されています。前髪の横幅を広めにとる「ワイドバング」にして、サイドのパーマと繋げると、より横幅を強調できます。
- 前髪なし (タイプE) の場合: おでこが出ている分、縦のラインが強調されがちです。センター分け(真ん中分け)は避け、分け目を6:4や7:3にずらし、根元をふんわり立ち上げて頬周りにつなげる「フェザーバング」風のパーマが効果的です。
【面長さん専用】横幅を出すパーマスタイル3選
面長さんには「頬周り」と「耳横」にボリュームを出すスタイルが鉄則です。ここでは、私のサロンでも面長のお客様に提案し、非常に満足度が高い3つのパーマスタイルを、レングス別(ミディアム・ボブ・ロング)に紹介します。
1. [ミディアム] 韓国風くびれパーマ(ヨシンモリ)
今最もトレンドであり、面長さんの骨格補正に最適なのが、韓国風の「くびれヘア」です。顔周りの毛(サイドバング)をリバース(外巻き)に流し、頬骨のあたりでふんわりとしたボリュームを作ります。そこから首元で一度くびれさせ、毛先は再び外ハネか内巻きでボリュームを出します。
この「頬周りのボリューム」と「首元のくびれ」のコントラストが、全体のシルエットをひし形に整え、面長感を劇的に解消します。このスタイルは、デジタルパーマで大きなカールを形状記憶させるのが最も再現性が高いです。
2. [ボブ] 耳横ボリュームのニュアンスパーマ
ボブやショートボブの場合、中途半端な位置のカールは縦長感を強調してしまいます。ポイントは、耳の真横(イヤリングライン)にボリュームのピークを持ってくることです。
髪の表面にレイヤーを入れすぎず、内側に空間を作るようにパーマをかけます。柔らかい質感のコールドパーマで、CカールやSカールをミックスさせた「ニュアンスパーマ」がおすすめです。スタイリングで耳掛けをしても、サイドのボリュームが残るため、バランスが崩れません。
3. [ロング] 波巻き or ジェリーパーマ
ロングヘアは髪の重さで縦のラインが出やすいですが、パーマのかけ方次第でカバーできます。2025年のトレンドでもある「ジェリーパーマ(ヒッピーパーマ)」や「波巻きパーマ」のように、根元近くからしっかりとしたウェーブを出すスタイルがおすすめです。
ウェーブが顔周りから始まることで、視線が横に分散されます。ただし、トップ(頭頂部)のボリュームは抑え、頬から下のウェーブを強く出すことが重要です。このスタイルは、細かいロッドで巻くコールドパーマか、専用のアイロンで再現します。
パーマを活かす!自宅スタイリング術
パーマのスタイリングは「乾かし方」と「スタイリング剤」が8割です。特に面長さん向けの「横幅を出すパーマ」は、スタイリングを間違えると縦にだれてしまい、効果が半減します。パーマの種類に合わせた正しい手順を覚えましょう。
デジタルパーマ(乾かして出す)のスタイリング
デジタルパーマは「乾かす=カールが出る」が特徴です。濡れた状態から形を作っていきます。
📋 デジタルパーマ 3ステップ
タオルドライ後、洗い流さないトリートメントをつけ、根元から乾かします。トップは抑え、サイドは持ち上げるように。
毛先が7〜8割乾いたら、毛束を指にクルクルと巻き付けながらドライヤーの弱風を当て、完全に乾かします。
完全に乾いたら、ワックスやバームを揉み込みます。カールをほぐしすぎないように注意します。
コールドパーマ(濡らして出す)のスタイリング
コールドパーマは「濡れている=カールが出る」が特徴です。朝、一度濡らすのが成功の秘訣です。
- カールを出したい部分を水や寝癖直しウォーターでしっかりと濡らします。
- タオルで優しく水分を拭き取り、ムースやジェルなど水分量の多いスタイリング剤を揉み込みます。
- ドライヤーの弱風で、カールを握るようにして乾かします。この時、⚠️ 乾かしすぎないのがポイント。少し湿り気が残る程度(7割ドライ)で止めると、ウェーブが綺麗に残ります。
プロ推奨スタイリング剤
面長カバーに必要な「横幅のボリューム」や「ツヤ感」を出すために、スタイリング剤選びは非常に重要です。
1. 束感とツヤを出すオイル系
デジタルパーマやくびれヘアの仕上げに最適です。 ナプラ N. (エヌドット) ポリッシュオイルは、私のサロンでも定番のアイテムです。Amazonでは★4.5、レビュー7,000件以上(2025年11月時点)と非常に高い評価を得ています。重めのテクスチャーで、濡れ感と束感を一日中キープしてくれます。ただし、つけすぎると重くなるので、少量から試してください。
→ PR⭐公式・Amazonで「N. ポリッシュオイル」を探す
2. 柔らかいカールを出すワックス系
コールドパーマやニュアンスパーマの「ふんわり感」を出すのに適しています。 ロレッタ メイクアップワックス 4.0は、Amazonで★4.2、レビュー1,100件以上(2025年11月時点)の人気製品です。ベタつきが少なく、程よいセット力で柔らかな動きを表現できます。ファイバー系ですが重すぎず、パーマの質感を活かせます。
→ PR⭐公式・Amazonで「ロレッタ メイクアップワックス 4.0」を探す
プロが教えるコツとNG|失敗しないオーダー法
美容室でのオーダーは「写真」と「悩み」の両方を伝えるのが成功の鍵です。「面長が悩み」とはっきり伝えることで、美容師は骨格補正を意識したカットとパーマを提案できます。
NGオーダー: 「おまかせで」「トップにボリュームが欲しい」 面長さんが「おまかせ」にすると、流行りのレイヤーをトップに入れられ、縦長感が強調される危険があります。また、「ボリュームが欲しい」という言葉だけでは、美容師はトップのボリュームを想像しがちです。
OKオーダー: 「面長をカバーしたいので、トップは抑えて、頬や耳の横にボリュームが欲しいです」と具体的に伝えましょう。
サロンでのオーダー方法のコツ
最も確実なのは、理想のヘアスタイルの写真を3枚ほど用意することです。その際、「このスタイルの、特にこの部分(例:頬周りのカール)が気に入っている」と具体的に指し示すと、イメージの共有がスムーズです。
さらに、「前髪はありかなしか」「普段のスタイリングにかける時間」「コテやアイロンは使うか」を伝えると、あなたのライフスタイルに合ったパーマ(デジタルかコールドか)を提案してもらえます。
⚖️ オーダーのNG vs OK
❌ NG例
- 「強く巻いてください」
- 「ゆるふわでお願いします」
- 「トップをふんわりさせてください」
✅ OK例
- 「頬骨の横にカールが欲しいです」
- 「スタイリングが楽なパーマがいいです」
- 「トップは抑えて横幅が欲しいです」
失敗時のリカバリー方法
万が一、パーマがイメージと違った場合の対処法です。慌てて自分で直そうとせず、まずは施術したサロンに相談しましょう。多くのサロンでは1週間程度の「お直し期間」を設けています。
- カールが弱すぎた場合: デジタルパーマの場合、乾かし方が原因かもしれません。指でクルクルねじりながら乾かすと復活することがあります。それでも弱い場合は、サロンでかけ直しを相談しましょう。コールドパーマの場合は、スタイリング剤をムースに変えるとカールが出やすくなります。
- ボリュームが出すぎた(強すぎた)場合: これは面長さんが一番避けたい失敗です。一時的には、重めのオイルやバームでボリュームを物理的に抑え込むしかありません。サロンに連絡し、パーマを緩める「パーマ落とし」や、トリートメントで質感を落ち着かせる施術を相談してください。
- ダメージが気になる場合: パーマ後の髪はアルカリ性に傾き、キューティクルが開いています。施術後1週間は、高保湿のトリートメントやヘアマスクで集中的にケアし、髪のpHを弱酸性に戻すことが急務です。適切なダメージケアをすることで、カールの持ちも良くなります。
面長さんのパーマに関するよくある質問 (FAQ)
面長さんのパーマに関する疑問は「前髪」と「長さ」に集中する傾向があります。私のサロンでよく受ける質問をまとめました。
まとめ:診断に基づいた「横幅パーマ」で自信を手に入れよう
面長さんがパーマで失敗しないためには、自分の顔型を「隠す」のではなく「活かす」という発想が大切です。縦のラインを強調するトップのボリュームやストレート感を避け、頬周りや耳横に「横幅」を作ること。これが面長さんを最も美しく見せる「ひし形シルエット」への近道です。
今回ご紹介した「韓国風くびれパーマ」「耳横ボリュームのニュアンスパーマ」「波巻きジェリーパーマ」は、いずれもこの理論に基づいています。ご自身の髪質やライフスタイルに合わせて、最適なパーマを選んでみてください。
正しい知識と正確なオーダー方法さえあれば、パーマは面長さんの最強の味方になります。ぜひこの記事を参考に、新しい自分にチャレンジしてみてください。動画でパーマスタイリング手順を詳しく解説している私のYouTubeチャンネルも参考にしていただけると嬉しいです。
📚 参考文献
- ミルボン公式サイト パーマ技術ガイド
- ホットペッパービューティーマガジン「面長さんに似合う髪型」
- 美容業界誌「新美容」2025年トレンドヘア特集
※本記事は一般情報であり、医療アドバイスではありません。アレルギーや症状が気になる場合は医師に相談してください。
この記事が役立ったら、美容師仲間とシェアして技術を高め合いましょう!
