はじめに:長髪メンズの朝が変わる「バーム」という選択肢
💡 長髪の「パサつき・広がり」の悩みは、ヘアバーム1つで解決できます。
こんにちは、美容師歴20年以上の「髪技屋さん」です。最近、サロンでも2025年のトレンドでもある、長めのセンターパートやウルフスタイルに挑戦する男性が本当に増えました。長髪はアンニュイな雰囲気や色気を出せる一方で、多くの方が同じ悩みを持っています。
「朝セットしても、午後には乾燥してパサパサになる」 「髪が広がって、清潔感が出ない」 「ワックスだと固まりすぎて不自然になる」
私の経験上、この悩みの9割は「スタイリング剤の選択ミス」と「塗布方法の間違い」が原因です。特に長髪スタイルにおいて、ワックスやジェルのような強いセット力は、時として「頑張りすぎた感」や「不自然な硬さ」を生んでしまいます。
そこで私が長髪のお客様に決まっておすすめするのが、そう、「ヘアバーム」です。ヘアバームは、あなたの髪に「セット力」ではなく、「ツヤ」「まとまり」「保湿」という、長髪に最も必要な3つの要素を与えてくれます。この記事では、バームの特性を120%引き出し、「ツヤと色気のあるまとまり」を作るための失敗しない塗布テクニックを徹底的に解説します。
なぜ今、長髪メンズに「ヘアバーム」が最適なのか?
💡 バームは「保湿ケア」と「ナチュラルセット」を同時に叶える唯一のスタイリング剤です。
2025年のメンズヘアトレンドは、明らかに「長髪化」と「ナチュラル志向」です。数年前までの主流だった刈り上げショートやハードな束感スタイルから、長めのセンターパートや、襟足を残すマッシュウルフ、さらにはメンズボブといった、髪の「流れ」や「質感」を重視するスタイルが人気を集めています。
これらのスタイルは、髪が長い分、ダメージや乾燥によるパサつきが目立ちやすいのが弱点。ここでワックスを使うと、油分が足りずにパサつきが残り、ジェルを使うと固まりすぎて動きが出ません。
その点、ヘアバームは違います。主成分がシアバターやミツロウなどの天然オイルであるため、スタイリングと同時に髪を保湿し、自然なツヤを与えてくれるのです。まさに、トレンドの長髪スタイルが求める「潤いのある、しなやかな動き」を作るために最適なアイテムと言えます。
失敗しない!バーム塗布の「基本3ステップ」
💡 バームセットの成否は「塗る前」と「塗る場所」で9割決まります。
バームセットで最も多い失敗が「ベタベタになる」「髪が洗ってない人みたいになる」というもの。これは100%、塗布方法のミスです。ワックスと同じ感覚で使うと必ず失敗します。以下の3ステップを守るだけで、あなたのバームセットは劇的に変わります。
📋 長髪バームセット 失敗しない3ステップ
溶かす:透明なオイル状になるまで
中間〜毛先:内側から揉み込む
表面・前髪:手に残った分で撫でる
STEP1:【最重要】バームを透明なオイル状になるまで「溶かす」
まず、バームを指で少量(枝豆ひとつ分)取ります。長髪でも最初は絶対にこの量からスタートしてください。足りなければ足せばいいのです。
そして、それを手のひらに伸ばし、両手をこすり合わせます。この時、白い塊が一切なくなり、完全に透明なオイル状になるまでしっかりと溶かし切ってください。指の間まで伸ばすのがプロのコツです。これが不十分だと、髪に白い塊がついてムラになり、ベタつきの原因になります。
STEP2:髪の「中間から毛先」に内側から揉み込む
オイル状になったバームを、いきなり髪の表面につけてはいけません。まずは襟足や耳後ろなど、髪の「内側」から手ぐしを通すようにしてなじませます。長髪で最もパサつくのは「毛先」です。毛先を優しく握るようにして、バームを揉み込んでいきましょう。
この時、絶対に守ってほしいルールがあります。
⚠️ 決して「根元」や「頭皮」にはつけないでください。
根元につけると、髪がベタッと潰れてボリュームがなくなり、一気に清潔感を失います。バームは必ず「髪の中間から毛先」だけにつけると覚えてください。
STEP3:手に残った「残り香」で表面と前髪を整える
内側と毛先になじませ終えたら、手のひらに残っているのはごく僅かなバーム(いわば「残り香」のようなもの)だけになっているはずです。その手で、初めて髪の「表面」を撫でるようにしてツヤを出します。
前髪やセンターパートの分け目も同様です。指先に残ったバームで毛先を軽くつまみ、流れを整える程度で十分。この「やりすぎない」感覚こそが、色気のあるナチュラルなまとまりを生むのです。
プロが教える「ツヤと色気」を出す応用テクニック
💡 「ウェット感の調整」と「毛流れの演出」が色気UPの鍵です。
基本の3ステップをマスターしたら、次は「色気」をプラスする応用編です。私のサロンワークでの実体験から、特に効果的なテクニックを2つ紹介します。
実録:サロンで実践する「追いバーム」テクニック
以前、長髪のウルフスタイルに挑戦した20代のお客様が、「バームをつけても夕方には乾燥で広がってしまう」と相談に来られました。彼のベース状態は「やや乾燥毛・セット経験浅め」でした。
失敗の原因は、乾燥毛に対して一度につけるバームの量が少なすぎたこと、そして毛先への保湿が足りていなかったことです。バームはベタつきを恐れるあまり、少なく使いすぎる失敗も多いのです。
そこで私は、まず基本の3ステップ(枝豆1つ分)で全体をセットした後、さらに「米粒半分」ほどのバームを指先に取り、それをしっかり溶かしてから、特にパサつく「毛先」と「前髪の毛先」にだけピンポイントで重ね付けする**「追いバーム」**を提案しました。これにより、全体のまとまりはキープしつつ、毛先にだけ濡れたようなツヤが生まれ、一気に色気のあるスタイルに改善。1週間後、「1日中まとまりました!」と嬉しい報告をいただきました。
テクニック2:「かきあげバング」で毛流れを演出
長髪センターパートで色気を出すなら、「かきあげバング」が有効です。ドライヤーで前髪の根元をしっかり立ち上げて乾かした後、基本の3ステップでセットします。最後に、手に残ったバームで前髪の根元(地肌にはつけない)から毛先に向かって、文字通り「髪をかきあげる」ように手ぐしを通します。これにより、ラフな毛流れとツヤが生まれ、アンニュイな雰囲気を演出できます。
長髪スタイル別 バームセット術(センターパート・ウルフ・パーマ)
💡 スタイル特性に合わせて、バームの「量」と「つける場所」を変えましょう。
バームは万能ですが、スタイルによって最適な使い方は微妙に異なります。2025年トレンドの3スタイルを例に解説します。
長めのセンターパート
長めのセンターパートは、毛先のパサつきと分け目の「ペタンコ」が最大の敵です。基本の3ステップで毛先にツヤを与えた後、手に残ったバームで分け目の「毛先」をつまみ、流れを強調します。根元は絶対に触らず、毛先の動きだけで見せるのが成功のコツです。
メンズウルフ(長め)
ウルフはトップの動きと襟足の「まとまり」が命。襟足はパサつくと一番だらしなく見える部分なので、バームを中間〜毛先にしっかり揉み込み、タイトにまとめます。逆にトップは、指先に残ったバームで毛先を軽くつまみ、自然な束感を作る程度に留めましょう。
長髪パーマ
パーマスタイルとバームは最高の相性です。髪が少し湿った状態、または乾いた髪を水スプレーで軽く湿らせた状態(ハーフウェット)でバームを揉み込むと、カールが綺麗に蘇り、ウェットな質感を一日中キープできます。乾燥した髪につけるよりも、リッジ(カールの立体感)が出やすくなります。
シーン別「まとまり感」調整術
💡 バームの「量」と「+α」アイテムで、TPOに合わせた質感をコントロールします。
長髪はTPOが難しいと思われがちですが、バームの質感コントロールでどんなシーンにも対応できます。
🎯 シーン別 長髪バームセット調整術
| シーン | 目指す質感 | バーム使用量 | +α アイテム |
|---|---|---|---|
| ビジネス | 清潔感のあるナチュラルなツヤ | 少なめ(米粒大〜) | (特になし。つけすぎ厳禁) |
| カジュアル (日常/デート) | 色気のあるウェット感・毛流れ | 標準(枝豆大)+追いバーム | ヘアオイル(ツヤ増強) |
| フォーマル (イベント) | きっちりしたタイトなまとまり | 標準(枝豆大) | ハードスプレー(キープ力UP) |
ビジネスシーンでは、バームの量を最小限にし、「保湿して広がりを抑える」程度に。逆にデートなど色気を出したい日は、標準量でセットした後に毛先中心に追いバーム、もしくはヘアオイルを1滴混ぜて使うと、よりウェットな質感を演出できます。
長髪に最適なヘアバームの選び方
💡 「髪質」と「求めるセット力」でバームを使い分けるのが上級者です。
ひと言でバームと言っても、実は種類があります。長髪を成功させるための選び方を伝授します。
髪質で選ぶ
- 硬い髪・広がりやすい髪:保湿力が高い、重めのバーム(シアバター高配合など)がおすすめ。髪の広がりをしっかり抑え、まとまりを与えます。
- 柔らかい髪・猫っ毛:重すぎるとペタンコになるため、軽めのテクスチャのバームや、セット力も兼ね備えた「ハードバーム」が適しています。
仕上がりで選ぶ
- ナチュラルなツヤ・保湿重視:N. (エヌドット) ナチュラルバームなどが代表的。天然由来成分100%で、ハンドクリームにもなるような保湿特化型。自然なまとまりが出ます。
- ツヤ+セット力も欲しい:アリミノ メン ハードバームやオーシャントリコ ヘアバームなど。ワックスとバームの中間のような使い心地で、毛流れや束感も作りやすいのが特徴です。
プロの裏技とよくある失敗 (NG vs OK)
💡 失敗の共通点は「つけすぎ」と「溶かし不足」です。
サロンで見てきた「ベタつき長髪」の失敗例と、プロの改善テクニックを対比表で見てみましょう。
⚖️ 長髪バームセット NG vs OK
❌ NG例 (ベタつき)
- バームを塊のまま髪につける
- いきなり前髪や表面からつける
- 根元(地肌)にベッタリつける
- 1回で大量(指の第一関節分など)をとる
✅ OK例 (ツヤとまとまり)
- 透明なオイル状になるまで溶かす
- 内側(襟足)の毛先からつける
- 根元は絶対に避ける
- 少量(枝豆大)から始め、足りなければ足す
特にバーム初心者にありがちなのが、シャンプーでの「落ちにくさ」問題です。
⚠️ バームはオイルの塊です。つけすぎると、一度のシャンプーでは落ち切りません。
もし「つけすぎた」と感じたら、シャンプー前にまずお湯でしっかりすすぎ、先にトリートメントやコンディショナーを髪になじませてバームの油分を浮かせてから、洗い流してシャンプーする「逆シャン」を試してみてください。油分が中和されて落ちやすくなります。セット後のヘアケアも重要です。
よくある質問(FAQ)
💡 長髪メンズのバームに関する疑問に、プロの視点でお答えします。
- Q1. バームがベタベタになってしまいます。
- A. 100%「つけすぎ」か「溶かし不足」です。本記事の「基本3ステップ」をもう一度確認してください。特に「根元につけない」「枝豆大から始める」「透明になるまで溶かす」の3点を徹底するだけで、ベタつきは必ず防げます。
- Q2. バームだけだとセットが崩れませんか?
- A. はい、バーム(特に保湿系)単体のキープ力は強くありません。あくまで「まとまり」と「ツヤ」が目的です。もしキープ力が欲しい場合は、セット力のあるハードバームを選ぶか、バームでセットした後にハードスプレーを全体に軽く振って固定してください。フォーマルなシーンではこの併用がおすすめです。
- Q3. ワックスとバームはどう使い分ければいいですか?
- A. 目的で使い分けます。 ・ワックス:「束感」「動き」「立ち上げ」が欲しい時。(例:ショートヘアの束感セット) ・バーム:「ツヤ」「まとまり」「保湿」「自然な毛流れ」が欲しい時。(例:長髪、パーマ、ナチュラルなセンターパート) 長髪スタイルでワックスのような動きが欲しい場合は、他のトレンドヘア記事も参考にしてみてください。
- Q4. バームが髪に残ってシャンプーで落ちにくいです。
- A. 主成分がオイルなので、つけすぎると落ちにくくなります。まずは「適量」を守ることが大前提です。もし落ちにくい場合は、シャンプー前にコンディショナーやトリートメントで油分を乳化させる(浮かせる)か、洗浄力の高いスタイリング剤専用のシャンプーを使うことをお勧めします。
⭐ まとめ:長髪バームセットをマスターして「色気のある大人」に
今回は、「長髪向けバームセット」をテーマに、失敗しない塗布テクニックを解説しました。
長髪のセットは、ワックスで固めるのではなく、バームで「ツヤ」と「まとまり」をコーティングするイメージが正解です。ベタつきを恐れず、しかしルール(①少量、②しっかり溶かす、③根元NG)を守って使えば、これほど長髪と相性の良いスタイリング剤はありません。
2025年のトレンドである長髪スタイルを、パサついたまま放置するのは非常にもったいないです。ぜひこの記事のテクニックを実践して、朝5分で「ツヤと色気のあるまとまり」を手に入れてください。あなたの印象は劇的に変わるはずです。
私のYouTubeチャンネル「髪技屋さん」では、動画でメンズセットの手順も解説しています。ぜひそちらもチェックしてみてください。
📚 参考文献
- N. (エヌドット) 公式サイト (製品情報)
- アリミノ 公式サイト (製品情報)
- ホットペッパービューティーマガジン (2025年メンズヘアトレンド)
- MEN'S NON-NO WEB (メンズヘアスタイル特集)
- Esquire (メンズバーム特集)
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