はじめに:30代メンズカラー、清潔感の正体は「ツヤ」と「深み」
30代メンズのヘアカラーは、清潔感を左右する「上質なツヤ」と「自然な深み」が成功の鍵です。こんにちは、美容師歴20年以上の「髪技屋さん」です。サロンワークで30代の男性から「派手になりたくないけど、印象を変えたい」「黒髪のままだと重い気がする」「白髪が少し気になる」といったご相談を受けることが非常に多いです。彼らが求めているのは、若作りではない、ビジネスシーンでも通用する品のある変化です。この記事では、B-exの「KIRATERA(キラテラ)」(旧スロウカラー)のチョコレートブラウン(CB)ラインを使い、黒髪からでも上質なツヤと清潔感を引き出すプロの技術を徹底解説します。
なぜ今「KIRATERA チョコレートブラウン」が30代メンズに最適なのか
2025年のトレンドである「ナチュラル」と「清潔感」を、高次元で両立できるカラーだからです。2025年のメンズヘアトレンドは、作り込みすぎない「ナチュラルさ」や「清潔感」がキーワードです。特に30代の男性顧客は、過度なブリーチや奇抜な色よりも、「地毛が綺麗になった」と感じさせるような仕上がりを求める傾向が強まっています。
B-ex KIRATERAは、まさにこのニーズに応える薬剤です。特に「チョコレートブラウン(CB)」ラインは、日本人特有の赤みを抑えながらも、ブラウンの持つ「深み」と「ツヤ」を最大限に引き出す色設計が特徴です。黒髪(バージン毛)に対しても6%オキシでしっかりリフトしつつ、ブラウンの色素を高濃度で届けるため、ブリーチなしでも透明感とツヤのある仕上がりが可能です。これが、30代メンズの清潔感アップに最適な理由です。
KIRATERA チョコレートブラウン(CB) 色設計の基本
CBラインは、ブラウンベースに赤みと青み(紫)をバランス良く配合し、深みとツヤを実現します。KIRATERAのCBライン(例:CB/05, CB/07)は、ただのブラウンではありません。寒色系のスロウの強みを引き継ぎ、ブラウンの中に絶妙なヴァイオレット(紫)のニュアンスを含んでいます。これにより、リフトした際に出てくるオレンジ味や赤みを自然に打ち消し、深みのあるクールなブラウンに仕上げることができます。
プロの美容師として最も重要なのが、基本のミックス比とオキシ選定です。
- 基本ミックス比: KIRATERAのアルカリカラーは、1剤:2剤(オキシ) = 1:2 が鉄則です。この比率を守ることで、薬剤の性能(リフト力と発色)が最大限に発揮されます。
- オキシ選定の重要性:
- 6% OXY: 黒髪(バージン毛)からのリフトアップ、しっかりとした発色。30代メンズの「地毛風カラー」のベース作りに必須です。
- 3% OXY: 既染毛、ダメージ毛への色味補充、トーンダウン。沈み込みを防ぎつつツヤを出します。
- 1.5% OXY (AC): ブリーチ毛やハイダメージ毛へのトナー使い、ダメージを最小限に抑えたい場合に使用します。
このオキシの使い分けが、30代メンズの髪の状態(白髪の有無、ダメージレベル)に合わせたパーソナライズ提案の鍵となります。
実践!KIRATERA チョコレートブラウン 施術手順と調合レシピ
正確なアンダー診断と、オキシ濃度(1:2ミックス)の使い分けが施術成功の全てです。ここからは、サロンですぐに使える具体的な施術フローと調合レシピを紹介します。
ヘアカラー施術の48時間前には、必ず皮膚アレルギー試験(パッチテスト)を実施してください。アレルギー反応が確認された場合は施術を中止し、専門医の診断を受けてください。
📋 KIRATERA CB 施術3ステップ
ベース診断(黒髪 / 既染毛 / ダメージ確認)
薬剤調合(CB + オキシを1:2でミックス)
塗布&自然放置(20〜30分)
STEP1: ベース診断(最重要)
30代メンズの髪は多様です。黒髪(バージン毛)なのか、過去のカラーで8レベル以上に退色しているのか、または白髪が混在しているのかを正確に見極めます。
- 黒髪(4〜5レベル)の場合: 6%オキシが必須です。これでリフトさせながらCBの色素を入れ、6〜7レベルの自然なツヤブラウンを目指します。3%では十分なリフトができず、ただの暗い髪(ツヤのない)になってしまいます。
- 既染毛(8〜10レベル)の場合: 3%オキシを選定します。6%を使うとダメージが進行し、毛先が沈み込む(暗くなりすぎる)リスクがあります。ツヤと深みを補充するイメージです。
- ⚠️ アンダーが明るすぎる(14レベル以上)の場合: CB単品だと、含まれるヴァイオレットが強く出すぎてアッシュやラベンダーに寄る可能性があります。その場合はクリア剤で薄めるか、ブラウン(Br)をミックスする調整が必要です。
STEP2 & 3: 調合レシピと放置時間
KIRATERAの基本放置時間は20分〜30分(自然放置)です。この時間を守ることで、色素がしっかり定着し、ツヤと色持ちが向上します。
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📊 30代メンズ向け CB調合レシピ
| ベース状態(髪質) | 調合レシピ (1:2ミックス) | 放置時間 | 施術時間(目安) |
|---|---|---|---|
| 黒髪 5レベル(バージン毛) 地毛風の清潔感 |
KIRATERA CB/05 40g + 6% OXY 80g (ショートヘア目安、仕上がり6レベル) |
30分 | 約70分 |
| 黒髪 5レベル(バージン毛) 少し明るく柔らかさUP |
KIRATERA CB/07 40g + 6% OXY 80g (ショートヘア目安、仕上がり7レベル) |
30分 | 約70分 |
| 既染毛 9レベル(退色毛) ツヤと深みを補充 |
KIRATERA CB/07 30g + 3% OXY 60g (ショートヘア目安、仕上がり7レベル) |
20分 | 約60分 |
| 白髪率10%(黒髪ベース) 白髪をぼかしツヤ出し |
KIRATERA CB/05 40g + 6% OXY 80g (ショートヘア目安、仕上がり6レベル) |
30分 | 約70分 |
顧客提案のコツ:30代メンズの心を掴むカウンセリング術
「派手すぎないか」という不安を「上質なツヤ出し」という価値提案で解消します。30代の男性顧客は、変化を望む一方で、失敗や周囲の目を気にする方も多いです。カウンセリングでは、技術的な説明よりも「得られるメリット」を具体的に伝えましょう。
「黒髪のままがいい」という顧客への提案
このタイプのお客様は「染めた感」を最も嫌います。ここでは「染める」ではなく「整える」という言葉を選びます。
トーク例: 「かしこまりました。真っ黒のままではなく、光が当たるとわかる程度の『地毛風ブラウン』にしませんか? KIRATERAのCB/05を使えば、明るさはほとんど変えずに髪にツヤだけを乗せることができます。ツヤが出るだけで清潔感が格段に上がりますよ」
提案レシピ: CB/05 + 6% OXY (1:2) → 6レベルの深みのあるツヤブラウン。
「少し明るくしたい」という顧客への提案
このタイプは、変化は欲しいが「ヤンチャに見られたくない」と思っています。ビジネスシーンでの好印象をアピールします。
トーク例: 「承知しました。ただ、黄色っぽく退色するような明るさではなく、品のあるチョコレート色に仕上げましょう。CB/07なら、黒髪からでも柔らかい7レベルのブラウンになります。これならビジネスシーンでも好印象ですし、髪も綺麗に見えます」
提案レシピ: CB/07 + 6% OXY (1:2) → 7〜8レベルの柔らかいブラウン。
「白髪が少し気になる」という顧客への提案
白髪を「隠す」のではなく「活かす」提案が響きます。ファッションカラーであるCBは白髪の染着力は高くありませんが、それをメリットとして伝えます。
トーク例: 「このCBカラーは、白髪を暗くベタッと染めつぶすタイプではありません。その代わり、白髪を自然にぼかして周りの黒髪と馴染ませる効果があります。全体にツヤが出るので、白髪のキラつきが目立たなくなり、とても自然な仕上がりになります」
プロのコツとNG回避術:KIRATERA CBを使いこなす
CBは単品でも優秀ですが、補色(V)の微量添加でオレンジ味を完璧に制御できます。KIRATERA CBは非常にバランスの良い薬剤ですが、顧客の髪質(特に赤みが強い方)によっては、もう一歩踏み込んだ調整が必要です。
サロンでのリアルな声(体験談)
- 成功例: 「黒髪(5レベル)のお客様にCB/07+6%で施術。狙い通りの7レベルのツヤブラウンになり、『重く見えなくなった』『清潔感が上がった』と大変喜ばれました」
- 失敗例: 「12レベルまで退色したダメージ毛にCB/07+3%を使ったら、思ったより紫が強く出て、アッシュ寄りのくすんだ色になった。毛先の吸い込みを考慮し、クリアで10%割るか、Br/07を少し足すべきでした」
- 改善例: 「赤みが非常に強く、いつもオレンジになりやすい髪質の方。私のサロンではCB/07 + V/06 (10:1) + 6% OXY で施術します。ヴァイオレットを少量加えることで赤みを完全に相殺でき、完璧なチョコレートブラウンになります」
⚖️ 黒髪メンズへのCB施術 NG vs OK
❌ NG例
- 黒髪に3%オキシ(リフト不足でツヤが出ない)
- ダメージ毛に6%オキシ(過剰ダメージ、毛先沈み込み)
- 放置時間を15分で短縮(発色不足で退色が早い)
- 1:1ミックス(薬剤パワーが不安定)
✅ OK例
- 黒髪には6%オキシで確実にリフト&発色
- ダメージ毛には3%または1.5%オキシで優しく色味補充
- 20〜30分の自然放置を厳守
- 必ず1:2ミックスを守る
失敗リカバリー術
万が一、狙い通りにいかなかった場合の対処法です。
- 毛先が沈み込みすぎた場合:
ダメージ毛が薬剤を吸い込みすぎたケース。慌てずに、KIRATERAのクリア剤 + 6% OXY (1:2) を沈んだ部分に塗布し、5〜10分ほどでティントオフ(軽く色素を抜く)します。脱染剤よりもダメージを抑えられます。
- 色ムラになった場合(根元だけ明るい等):
新生部への塗布量が多すぎた場合など。暗い部分(毛先)に、CB/07 + 1.5% OXY (1:2) を塗布し、明るい根元とのトーンを合わせます。低オキシでダメージさせずに色素だけを補充するのがコツです。
- 思ったより暗かった(黒髪への施術):
⚠️ 黒髪(バージン毛)への6%施術は、KIRATERAでも6〜7レベルがリフトの限界です。これは失敗ではなく、薬剤の特性です。もし顧客が8レベル以上を望んでいた場合は、カウンセリングの時点で「ブリーチなしではこの明るさが限界です」と伝える必要があります。再施術する場合は、ブリーチカラーの提案に切り替えます。
よくある質問(FAQ)
KIRATERA チョコレートブラウンに関する現場での疑問を解決します。
- Q1. 黒髪からブリーチなしでどのくらい明るくなりますか?
- A1. 髪質によりますが、KIRATERA CB/07と6%オキシ(1:2)の組み合わせで、健康な黒髪(4〜5レベル)からでも6〜7レベルの自然なブラウンに仕上がります。それ以上の明るさ(9レベル以上)を求める場合は、ブリーチまたはライトナーが必須となります。
- Q2. KIRATERA チョコレートブラウンの色持ちは?
- A2. 非常に優秀です。KIRATERAは高濃度設計のため、色素が髪の内部にしっかり定着します。特にCBラインはブラウンベースが強いため、ハイトーンカラーに比べて色落ちが穏やかです。退色しても赤みやオレンジ味が出にくく、自然なベージュブラウンに抜けていくため、色落ちの過程も楽しめます。
- Q3. 30代メンズが避けるべき髪色はありますか?
- A3. TPOによりますが、「清潔感」を最優先するなら、ブリーチムラや過度な金髪、赤みの強すぎるブラウンは避けるのが無難です。これらは髪のダメージを強調し、ビジネスシーンで浮いてしまう可能性があります。まずは今回ご紹介したような、ツヤのある6〜8レベルのダークブラウンから始めることをお勧めします。
まとめ:上質なツヤで、30代メンズの清潔感をアップデートしよう
30代メンズの清潔感は、KIRATERA チョコレートブラウンの上質なツヤと深みで実現できます。今回は、B-ex KIRATERA チョコレートブラウン(CB)を使い、30代男性の魅力を引き出す「清潔感カラー」について解説しました。
ポイントは以下の通りです。
- 30代メンズには「ツヤ」と「自然な深み」が不可欠。
- KIRATERA CBは、黒髪(バージン毛)からでもブリーチなしで上質なツヤを出せる。
- 基本は「1剤:2剤 = 1:2」、黒髪には6%、既染毛には3%のオキシ選定。
- 放置時間は20〜30分を厳守。
この「KIRATERA チョコレートブラウン」は、派手なカラーは卒業したいが、黒髪のままでは物足りないという30代メンズの複雑なニーズに応える強力な武器となります。ぜひ明日からのサロンワークに取り入れ、お客様の清潔感をアップデートしてください。
📚 参考文献
- B-ex Inc. 公式サイト (KIRATERA製品情報)
- B-ex Journal (旧スロウジャーナル)
- 日本ヘアカラー協会(JHCA)技術ガイドライン
※本記事はプロの美容師向け技術情報であり、セルフカラーを推奨するものではありません。アレルギーや症状が気になる場合は医師に相談してください。
この記事が役立ったら、美容師仲間とシェアして技術を高め合いましょう!
