はじめに
💡 メンズワックスは選び方と使い方次第で、朝のセット時間が半分になります。
朝のヘアセット、時間がかかって大変ですよね。私は美容師として20年以上お客様のセットを見てきましたが、「ワックスの使い方がわからない」「自分に合うワックスが見つからない」という相談を本当によく受けます。
実は、ワックス選びと使い方にはいくつかのコツがあります。このコツを押さえるだけで、誰でも簡単に理想のスタイルを作れるようになるんです。
私のサロンでは、初心者の方にもわかりやすく「3ステップ」でワックスの使い方を教えています。この方法なら、不器用な方でも5分程度でセットが完成します。今回は、そのテクニックをすべてお伝えしていきます。
メンズワックスの基礎知識
💡 ワックスには大きく分けて5つのタイプがあり、それぞれ得意なスタイルが異なります。
メンズワックスと一言で言っても、実はたくさんの種類があります。私の経験では、ワックス選びの失敗の8割は「自分の髪質やスタイルに合っていないタイプを選んでしまうこと」が原因です。
まずは基本的なワックスの種類を理解しましょう。
🎯 メンズワックスの種類別特徴
| タイプ | 質感 | 得意なスタイル | セット力 |
|---|---|---|---|
| ファイバー | ツヤ感あり | 束感・動き | 中~強 |
| クリーム | 自然なツヤ | ナチュラル | 弱~中 |
| クレイ・マット | ツヤなし | 無造作風 | 中~強 |
| ジェル | 強いツヤ | タイト・七三 | 強 |
| バーム | ウェット感 | パーマ・ウェーブ | 弱~中 |
私がお客様に最もよくおすすめするのは、ファイバータイプです。伸びがよく、初心者でも扱いやすいのが特徴。束感も出しやすく、ビジネスシーンからカジュアルまで幅広く対応できます。
一方で、自然な仕上がりを重視するならクレイ・マットタイプがおすすめ。ツヤが出ないので、作り込みすぎない無造作なスタイルに最適です。
髪質別ワックスの選び方
💡 髪質に合わないワックスを使うと、スタイルが崩れやすくなります。
ワックス選びで最も重要なのは、自分の髪質を正しく理解することです。私のサロン経験では、髪質を無視してワックスを選んでしまう方が約6割もいらっしゃいます。
軟毛・細い髪質の方
髪が細く柔らかい方は、重たいワックスを使うとペタンとなりやすい傾向があります。私がおすすめするのは、軽めのファイバーワックスやクレイタイプ。
サロンでよく使うのは、アリミノ ピースのハードワックスやオーシャントリコのクレイです。少量でもしっかりボリュームが出て、キープ力も高いんです。
⚠️ 軟毛の方がジェルタイプを使うと、髪が重さに耐えられず崩れやすくなります。
硬毛・太い髪質の方
髪が太くて硬い方は、セット力の強いワックスを選びましょう。私の経験では、ファイバータイプのハードワックスか、ジェルタイプが相性抜群です。
特にミルボン プレジュームワックスやデューサーシリーズは、硬い髪でもしっかり動きを出せます。伸びもよく、全体に馴染ませやすいのが魅力です。
くせ毛の方
くせ毛の方には、ツヤ系のワックスがおすすめです。水分に反応して動きが出やすいくせ毛の特性を活かせば、自然なニュアンスが簡単に作れます。
私がよく提案するのは、N.バームやウェットタイプのワックス。くせ毛の動きを活かしながら、まとまり感も出せる優秀なアイテムです。
メンズワックスの正しい使い方【3ステップ】
💡 正しい順番と量を守れば、初心者でも5分でプロ並みの仕上がりになります。
ワックスの使い方で最も多い失敗は、「前髪から付けてしまう」こと。私のサロンでは、初心者の方全員にこの順番を徹底してお伝えしています。
📋 基本の3ステップ
10円玉サイズを手に取り、手のひら全体に薄く伸ばす
バック→サイド→トップの順に、髪を握るように揉み込む
手に残ったワックスで前髪の毛先だけ整える
STEP1:適量を手のひらで温める
ワックスの量は10円玉サイズが基本です。多すぎると髪がベタつき、少なすぎるとスタイルがキープできません。
手に取ったら、手のひら全体に薄く伸ばしましょう。色が薄くなるまで伸ばすのがコツです。指の間にもしっかり馴染ませると、髪全体に均一に付けられます。
私がお客様に必ずお伝えするのは、「手のひらで少し温めること」。ワックスが柔らかくなり、髪に馴染みやすくなるんです。
STEP2:バックから揉み込む
最初は必ずバック(後頭部)から付けます。ここが最も重要なポイント。前髪から付けてしまうと、不自然に割れたり重くなったりする原因になります。
髪を握るように、クシャクシャと揉み込んでください。髪の内側にまでしっかりワックスを馴染ませることで、立体感が出やすくなります。
バック→サイド→トップの順番を守れば、ワックスの量が自然と調整されます。頭皮には付けないよう、中間から毛先を意識しましょう。
STEP3:前髪は最後に
全体に付け終わったら、手に残ったわずかなワックスで前髪を整えます。前髪には少量で十分。毛先だけを軽くつまむ程度でOKです。
以前、お客様で前髪にたっぷりワックスを付けて失敗した方がいました。汗をかくとすぐに割れてしまい、「バーコード状態」になってしまったんです。それ以来、前髪は最後に軽く、を徹底してお伝えしています。
よくある失敗とその対策
💡 失敗の9割は「量」「順番」「髪の状態」の3つが原因です。
私のサロンで20年間見てきた中で、ワックスの失敗パターンはほぼ決まっています。ここでは、特に多い失敗例とその解決方法をご紹介します。
⚖️ メンズワックス NG vs OK
❌ NG例
- 濡れた髪にワックスを付ける
- 前髪から先に付ける
- ワックスを大量に使う
- 手のひらで伸ばさずに直接髪に付ける
✅ OK例
- 完全に乾いた髪に使う
- バックから順番に付ける
- 10円玉サイズを守る
- 手のひらで薄く伸ばしてから使う
失敗1:髪がベタベタになる
これは間違いなく、ワックスの量が多すぎることが原因です。私の経験では、初心者の方は必要量の2倍以上使ってしまう傾向があります。
対策は簡単。最初は少なめ(10円玉サイズ)から始めて、足りなければ少しずつ追加する方法がおすすめです。一度に多く付けてしまうと、やり直しが効きません。
失敗2:スタイルがすぐに崩れる
髪が完全に乾いていない状態でワックスを付けると、この失敗が起こります。⚠️ 半乾きの髪は絶対にNG。ドライヤーでしっかり乾かしてからワックスを使いましょう。
また、セット力の弱いワックスを選んでいる可能性もあります。スタイルをしっかりキープしたい方は、ハードタイプを選んでください。
失敗3:前髪が割れる
前髪にワックスを付けすぎると、汗や湿気で割れやすくなります。私のサロンでは「前髪は最後に、残ったワックスで軽く」を徹底してお伝えしています。
どうしても前髪にしっかりワックスを付けたい場合は、スプレータイプと併用するのがおすすめ。ワックスは少量にして、スプレーで固定する方法です。
失敗を恐れず、何度も練習することが上達の近道です。私のサロンでは、お客様に「週末に練習してみてください」とお伝えしています。時間のある時に練習すれば、平日の朝がグッと楽になりますよ。
シーン別ワックスの使い分け
💡 ビジネスとカジュアルでは、ワックスの種類と仕上がりを変えるのが正解です。
私のサロンでは、お客様のライフスタイルに合わせてワックスを提案しています。同じ人でも、シーンによって使い分けることで、より印象的なスタイルが作れるんです。
ビジネスシーン
ビジネスでは清潔感が最優先。ツヤのあるファイバータイプか、適度にツヤを抑えたクリームタイプがおすすめです。
私が営業職の方によく提案するのは、アリミノ ピース グロス。適度なツヤ感で、きちんと感を演出できます。セット力もあるので、朝から夕方までしっかりキープできるのも魅力です。
カジュアルシーン
休日やデートでは、自然な動きを出せるマットタイプやバームがぴったり。作り込みすぎない、リラックスした印象を与えられます。
オーシャントリコ クレイやN.バームは、カジュアルスタイルの定番。無造作な束感が簡単に作れて、今っぽい雰囲気に仕上がります。
フォーマルシーン
結婚式や重要な会議など、フォーマルな場面ではジェルタイプが活躍します。タイトにまとめて、きちんとした印象を演出しましょう。
ジェルは速乾性が高く、一度固まると崩れにくいのが特徴。長時間のイベントでも安心です。
プロが教える上達のコツ
💡 セット時間を半分にする秘訣は、下準備にあります。
私が20年間で最も伝えたいこと、それは「ワックスだけでスタイルは作れない」ということです。美容師の技術は、実はワックスを付ける前の段階に詰まっているんです。
🎯 プロが実践する3つのコツ
ドライヤーテクニック
実は、プロの仕上がりの秘密は「ドライヤー」にあります。私のサロンでは、ドライヤーで形を8割作ってから、ワックスで仕上げるという方法を取っています。
根元を立ち上げたい部分は、下から風を当てる。ボリュームを抑えたい部分は、上から押さえつけるように乾かす。この基本を押さえるだけで、ワックスの量が半分で済みます。
ヘアアイロンの活用
もっと本格的にセットしたい方は、ヘアアイロンの使用がおすすめです。特に前髪の流れを作る時や、毛先にカールをつける時に便利。
ただし、⚠️ アイロンは髪を傷めやすいので、必ずヒートプロテクトスプレーを使ってください。温度は160度程度が適温です。
ワックス選びQ&A
💡 よくある質問への答えを知れば、ワックス選びの失敗が減ります。
私のサロンで実際に受けた質問の中から、特に多かったものを厳選してお答えします。
Q1:初心者に一番おすすめのワックスは?
A:ファイバータイプのミディアムハードがおすすめです。伸びがよく扱いやすい上、セット力も適度にあります。具体的にはデューサー4番やアリミノ ピース フリーズキープワックスが初心者向きです。
Q2:ワックスをつけても髪が立たないのはなぜ?
A:髪質に合わないワックスを使っているか、ドライヤーでの下準備が不十分な可能性があります。軟毛の方は軽めのワックス、硬毛の方はハードタイプを選んでください。また、ドライヤーで根元をしっかり立ち上げてからワックスを使うと、格段に立ちやすくなります。
Q3:違う種類のワックスを混ぜても大丈夫?
A:問題ありません。実は私もよくやる方法です。例えば、マットタイプにツヤ系を少し混ぜて、ツヤ感を調整したり、ハードワックスにクリームを混ぜてセット力と自然さを両立させたり。手のひらで混ぜてから使えば、自分好みの質感が作れます。
Q4:ワックスの使用期限はどのくらい?
A:未開封なら約3年、開封後は1年が目安です。ただし、直射日光の当たる場所や高温多湿の場所に保管すると、劣化が早まります。変色や異臭がしたら使用を中止してください。
Q5:毎日ワックスを使うと髪が傷む?
A:正しく使えば問題ありません。重要なのは、その日のうちにシャンプーでしっかり洗い流すこと。ワックスを付けたまま寝ると、頭皮トラブルや髪のダメージにつながります。私のサロンでは、ワックス使用後のシャンプーは2度洗いを推奨しています。
リアルな声:成功例と失敗例
私のサロンで実際にあったお客様の体験談をご紹介します。すべて本人の許可を得て、匿名化してお伝えしています。
成功例:3ヶ月でセット時間が半減
20代後半の会社員の方で、「朝のセットに30分かかる」という悩みを持っていました。詳しく聞くと、ワックスを大量に使い、何度も付け直していたんです。
私がアドバイスしたのは、「ドライヤーで形を作る」「ワックスは少量から」の2点。3ヶ月後には15分でセットできるようになり、「朝の時間に余裕ができた」と喜んでいただけました。
失敗例:髪質に合わないワックスで悪循環
30代前半の男性で、硬毛なのにクリームタイプの弱いワックスを使っていました。セット力が足りず、どんどん量を増やした結果、髪がベタベタに。
ハードタイプのファイバーワックスに変更し、適量の使い方を練習してもらったところ、1ヶ月で理想のスタイルが作れるようになりました。学んだことは、「髪質診断の重要性」です。
この方からは「もっと早く相談すればよかった」という言葉をいただき、私自身も改めて基本の大切さを実感しました。
スタイリング剤比較表
💡 目的別に最適なスタイリング剤を選べば、セットの完成度が格段に上がります。
🎯 スタイリング剤種類別比較
| 種類 | 価格帯 | 使いやすさ | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| ファイバーワックス | 1,000~2,000円 | ⭐⭐⭐⭐⭐ | 初心者向け |
| クリームワックス | 1,200~2,500円 | ⭐⭐⭐⭐ | ナチュラル派 |
| クレイ・マット | 1,500~3,000円 | ⭐⭐⭐⭐ | 中級者向け |
| ジェル | 800~1,800円 | ⭐⭐⭐ | フォーマル向け |
| バーム | 1,500~3,500円 | ⭐⭐⭐⭐ | トレンド重視 |
価格と品質は必ずしも比例しません。私の経験では、1,500円前後のワックスで十分にプロ並みのセットができます。高いワックスを買うよりも、自分の髪質に合ったものを選ぶことが重要です。
気になったワックスは、ドラッグストアや美容室、オンラインショップでチェックしてみてください。まずは少量サイズから試すのがおすすめです。
季節別ワックスの使い分け
実は季節によってもワックスの選び方を変えると、より快適にスタイリングできます。私のサロンでは、お客様に季節ごとのアドバイスもしています。
春・夏(湿気対策)
湿気の多い季節は、セット力の強いハードタイプがおすすめ。汗をかきやすい時期なので、ウォータープルーフタイプも活躍します。
私がよく提案するのは、ワックスとスプレーの併用。ワックスで形を作り、スプレーで固定する方法なら、雨の日でも崩れにくくなります。
秋・冬(乾燥対策)
乾燥する季節は、保湿成分が入ったクリームタイプやバームがぴったり。髪がパサつきやすい時期なので、ツヤを出してくれるワックスを選びましょう。
⚠️ 冬場は静電気にも注意。ワックスを付ける前に、軽くヘアオイルを馴染ませると静電気防止になります。
ワックスの正しい洗い流し方
意外と知られていないのが、ワックスの正しい落とし方です。実は、洗い方を間違えると頭皮トラブルや髪のダメージにつながります。
私がサロンで必ずお伝えしているのは、「予洗い→2度洗い」の3ステップです。
正しい洗い方3ステップ
まず、お湯だけで1~2分しっかり予洗いします。これだけで表面のワックスの約7割が落ちるんです。
次に、1度目のシャンプーで残りのワックスを浮かせます。泡立ちが悪くても気にせず、頭皮を中心にマッサージするように洗いましょう。
最後に、2度目のシャンプーでしっかり洗浄。今度はしっかり泡立つはずです。この2度洗いで、ワックスを完全に落とせます。
ワックスが残ったまま寝ると、毛穴詰まりや頭皮の炎症の原因になります。特にハードタイプを使った日は、必ず2度洗いを心がけてください。
詳しいヘアケア方法については、ヘアケアの記事も参考にしてください。
ワックス以外のスタイリング剤との併用
ワックスだけでなく、他のスタイリング剤と組み合わせることで、より理想のスタイルに近づけます。
ワックス+スプレー
最も定番の組み合わせ。ワックスで形を作り、スプレーで固定する方法です。私のサロンでも、8割のお客様にこの方法をおすすめしています。
特に前髪のキープや、全体の崩れ防止に効果的。スプレーは20cm以上離して、軽く全体にかけるのがコツです。
ワックス+ヘアオイル
パサつきが気になる方におすすめの組み合わせ。ヘアオイルを先に少量馴染ませてから、ワックスを使う方法です。
ツヤ感とまとまりが出て、大人っぽい仕上がりになります。ただし、オイルの量は1~2滴で十分。付けすぎると重くなるので注意しましょう。
ワックス+ジェル
セット力を最大限に高めたい時の組み合わせ。ワックスで束感を作り、ジェルで固める方法です。フォーマルなシーンや、長時間崩したくない時に有効です。
ただし、自然な動きは出しにくくなります。カジュアルなスタイルには向かないので、シーンに応じて使い分けてください。
まとめ
メンズワックスの使い方と選び方について、基礎から実践テクニックまでお伝えしてきました。最後に、重要なポイントをまとめます。
メンズワックスは、髪質とスタイルに合わせた選択が成功の鍵。正しい使い方をマスターすれば、誰でも5分でプロ並みの仕上がりが実現できます。
特に覚えておいてほしいのは、以下の3つです。
- ドライヤーで8割完成させる:ワックスは仕上げ。下準備が最重要
- バック→サイド→トップ→前髪の順:順番を守れば失敗しない
- 10円玉サイズから始める:少量から調整が基本
私が20年間で最も実感しているのは、「基本に忠実なセットが、結局一番カッコいい」ということです。トレンドを追うのも大切ですが、まずは基本のテクニックをしっかり身につけてください。
毎日のセットが楽しくなれば、きっと朝の時間も好きになれます。ぜひ今日から実践してみてくださいね。
セット方法についてもっと詳しく知りたい方は、髪型やトレンドヘアの記事もチェックしてみてください。
また、動画でセット手順を確認したい方は、YouTubeチャンネル「髪技屋さん」で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
📚 参考文献
- アリミノ公式サイト - スタイリング剤の使い方ガイド
- ホットペッパービューティー - メンズヘアトレンド調査
- 美容業界専門誌 - スタイリング技術基礎
- ミルボン公式サイト - 髪質別ケア方法
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