- なぜオリーブアッシュで赤みが消えないのか、その原因がわかります。
- 美容師が選ぶ、赤み消しに強い市販オリーブアッシュ系カラー剤5選を知ることができます。
- 色ムラを防ぐ「4分区」を使ったプロの塗布手順を学べます。
- オリーブアッシュのキレイな色を長持ちさせるメンテナンス方法がわかります。
はじめに
こんにちは!美容師歴20年以上の「髪技屋さん」です。
サロンワークで「髪の赤みを消したい」「透明感のあるオリーブアッシュにしたい」というご相談は本当に多いです。オリーブアッシュは、日本人特有の赤みを打ち消し、柔らかく透けるような質感を叶えてくれる人気のカラーですよね。
しかし、セルフカラーで挑戦すると「思ったより赤みが残った」「緑が強く出すぎた」という失敗も起こりやすい、実は難易度の高い色でもあります。
この記事では、私の20年間の経験に基づき、市販のカラー剤を使って自宅でオリーブアッシュを成功させるための「薬剤選び」と「失敗しない技術」を徹底解説します。気になるカラー剤は、画面下部の『PR⭐️Amazonで探す』からチェックしてみてくださいね。
オリーブアッシュのセルフカラーでよくある失敗
オリーブアッシュは「赤み」の反対色である「緑(マット)」を使って色を打ち消すカラーです。このバランスが崩れると、セルフカラーはとたんに失敗してしまいます。
失敗例1:赤みが消えず、ただの暗い茶色になった
これが最も多い失敗です。日本人の髪はもともと赤み(フェオメラニン)が強いため、市販薬の「緑」の色素が負けてしまうのです。特に元の髪が暗い方や、髪が太く硬い方は、弱いオリーブ系薬剤では赤みを抑えきれません。
失敗例2:緑が強く出すぎた(濁ったカーキ色)
逆に、元の髪が明るい(ブリーチ毛や細毛)場合、薬剤の緑が強く入りすぎてしまう失敗です。髪の黄みと薬剤の緑が混ざり、くすんだマット色や、不自然な緑色に見えてしまうことがあります。
失敗例3:根元だけ緑で毛先が赤い(色ムラ)
これは塗布技術の問題です。健康で染まりやすい根元(新生部)には緑がしっかり入るのに、ダメージがあり染料が抜けやすい毛先は赤みが残ってしまう状態。薬剤不足や塗る順番が原因です。
【サロン事例】赤みが消えなかったAさんのケース
以前、30代の女性Aさんから「市販のオリーブアッシュで染めたら、赤いままで変わらなかった」とご相談がありました。
【状況】 髪質は太めで、地毛の赤みが強いタイプ。市販の「ナチュラルなオリーブブラウン」という暗めの薬剤を使用されていました。
【原因】 Aさんの強い赤みを打ち消すには、使用した薬剤の「緑の色素」が弱すぎたことが原因です。暗めのトーン(明るさ)の薬剤は、そもそも赤みを削る力(ブリーチ力)も弱いため、赤みが残ってしまったのです。
【解決】 サロンでは、まず赤みをしっかり削るために少し明るめのトーンを選定し、濃いマット(緑)系の薬剤を調合しました。次回セルフで挑戦する場合は、「暗すぎないトーン(7トーン以上)」で「緑がしっかり入っている製品(ミントアッシュなど)」を選ぶようアドバイスしました。
安全性・準備ガイド
オリーブアッシュは魅力的な色ですが、セルフカラーにはリスクも伴います。施術前に必ず安全確認と準備を徹底してください。
ヘアカラーによるアレルギー(ジアミンアレルギー)は、ある日突然発症します。「前回大丈夫だったから」は通用しません。 必ず染める48時間前に、説明書通りに薬剤を腕の内側などに少量塗布し、異常が出ないか確認してください。かゆみ、赤み、発疹が出た場合は、絶対にその薬剤を使用してはいけません。
セルフカラーに必要な準備物リスト
- □ 市販ヘアカラー剤(肩を超える長さ、毛量が多い方は2箱)
- □ ケープまたは汚れてもいいタオル・前開きの服
- □ イヤーキャップ(付属していない場合)
- □ ワセリンまたは油性クリーム(顔まわり、耳、首筋の保護用)
- □ ヘアクリップ(ブロッキング用、4つ以上)
- □ 時計(放置時間確認用)
- □ (推奨)ジャンボコーム(粗めのくし)
髪の状態チェック
染める前の髪は、乾いた状態が基本です。前日のシャンプーはOKですが、当日はシャンプーしないでください。皮脂が頭皮を保護してくれます。ただし、ワックスやオイルが大量についている場合は、染まりムラの原因になるため、前日までに落としておきましょう。
決定版!オリーブアッシュのおすすめ市販カラー剤5選と施術方法
赤みをしっかり打ち消すには、薬剤が髪に密着し、十分な量が行き渡る必要があります。初心者の方は「泡タイプ」も手軽で良いですが、赤み消しを最優先するならクリームや乳液タイプがおすすめです。ここではタイプ別に実力派の5製品を紹介します。
美容師が選ぶ!赤み消しオリーブアッシュ5選
- 【泡タイプ・初心者向け】リーゼ 泡カラー「オリーブアッシュ」
黒髪の赤み(アンダートーン)に着目した設計。泡が濃密でムラになりにくく、セルフカラーが初めての方でも挑戦しやすいオリーブアッシュです。 - 【泡タイプ・可愛い色味】ビューティラボ ホイップヘアカラー「ベビーオリーブ」
こちらも泡タイプで、名前の通り柔らかいオリーブ感が出やすいのが特徴。付属の美容液でケアもできます。 - 【クリーム・白髪もOK】ロレアルパリ エクセランス R「7NG (緑がかった明るい栗色)」
私のサロンのお客様にも愛用者が多い製品。「NG」はナチュラルグリーンの略で、赤みを抑える力が強いです。クリームタイプで密着し、白髪もキレイに染まります。ケア成分が豊富なのも魅力。 - 【乳液・高発色】フレッシュライト ミルキーヘアカラー「ミントアッシュ」
「マット系」とも呼ばれる緑が強めのカラー。赤みがかなり強い方、しっかり緑感を出したい方におすすめ。乳液タイプで伸びが良いです。 - 【白髪用・しっかり染め】クレオディーテ クリアリーカラー「オリーブアッシュ」
白髪染めですが、黒髪の赤み消しにも優秀です。白髪と黒髪の色の差をなくしながら、上品なオリーブアッシュに仕上げます。
プロが教える!色ムラ防止の施術ステップ
📋 オリーブアッシュ成功の3ステップ
準備と保護(48時間前のパッチテスト+当日のワセリン塗布)
髪を4分区し、襟足(下)→後頭部(上)→サイド(下)→トップ(上)の順で塗布
説明書通りの時間(約20〜30分)を守り、丁寧に乳化・すすぎ
- 保護: 顔まわり、耳、首筋にワセリンを塗ります。
- ブロッキング (4分区): 髪を上下左右の4ブロックに分け、ヘアクリップで留めます。これがムラを防ぐ最重要ポイントです。
- 塗布(順番厳守): 薬剤を混ぜたらすぐに塗布を開始します。
- ① 襟足(下のブロック)から塗ります。ここは体温が低く染まりにくいため、最初に塗ります。
- ② 後頭部(上のブロック)を塗ります。
- ③ サイド、トップ(顔まわり)を塗ります。根元は体温で染まりやすいため、最後に塗るか、手早く塗布します。
- ⚠️ 薬剤は絶対にケチらないこと。薬剤不足はムラの最大の原因です。「多すぎるかな?」と思うくらいが適量です。
- 放置: 髪全体に塗り終えたら、説明書通りの時間(通常20〜30分)放置します。
- 乳化・すすぎ: 放置時間が終わったら、少量のお湯を髪になじませ、優しくもみ込む「乳化」を行います。これにより薬剤が均一になじみ、色ムラが減り、頭皮の薬剤も落ちやすくなります。その後、お湯に色が出なくなるまでしっかりすすぎ、シャンプー・トリートメントで仕上げます。
【指導事例】4分区でムラなく染まったBさんのケース
【状況】 20代のBさん。「いつも自分で染めると後頭部だけ暗くなってしまう」と悩んでいました。
【原因】 Bさんはブロッキングをせず、見えるところ(サイドやトップ)から塗り始めていました。その結果、塗りにくい後頭部は薬剤が不足し、染まりやすいサイドは薬剤が過多になっていたのです。
【解決】 私は「4分区」のテクニックと、「薬剤は2箱使う」ことを徹底するよう指導しました。特に染まりにくい襟足と後頭部からたっぷり塗るようにアドバイス。結果、次回ご来店時に「初めてムラなく染められました!」と嬉しい報告をいただきました。正しい手順さえ守れば、セルフカラーの精度は格段に上がります。
髪質・ベース別!オリーブアッシュの色選び診断
オリーブアッシュの仕上がりは、元の髪色(ベース)に大きく左右されます。自分の髪質に合った薬剤を選びましょう。
🔵 赤みが強い・太い・硬い髪の人
- 色選び: 緑がしっかり入った「ミントアッシュ」や「マット系」。
- トーン: 7トーン以上の明るめを選ばないと、赤みが打ち消せません。
- タイプ: クリームタイプ(例:ロレアル 7NG)でしっかり密着させるのがおすすめ。
- 注意点: 薬剤が負けやすいので、放置時間を守り、薬剤はたっぷり使いましょう。
🟠 赤みが少ない・細い・柔らかい髪の人
- 色選び: 柔らかい「ベビーオリーブ」や「オリーブアッシュ」。
- トーン: 暗めのトーン(5〜6)でも色が出やすいです。
- タイプ: 泡タイプ(例:リーゼ、ビューティラボ)でも染まりやすい傾向があります。
- 注意点: 緑が強く出すぎないよう、放置時間を短め(説明書の最短時間)に調整するのも手です。
イエベ・ブルベのパーソナルカラー別提案
オリーブアッシュは、実はパーソナルカラー(パーソナルカラー)を問わず似合わせやすい万能色です。
- イエベ(イエローベース)の方: 黄み寄りの「オリーブベージュ」や、明るめの「ベビーオリーブ」が肌になじみやすいです。
- ブルベ(ブルーベース)の方: 青み寄りの「オリーブグレージュ」や、くすみ感の強い「ミントアッシュ」が透明感を引き立てます。
色持ちを良くする!オリーブアッシュのメンテナンス術
オリーブやアッシュなどの寒色系は、色落ちが早いのが宿命です。理由は、寒色系の染料(青や緑)は粒子が大きく、髪の内部まで浸透しにくい(または粒子が小さく流出しやすい、諸説あり)ため。毎日のケアで、キレイな色を1日でも長く保ちましょう。
① 染めた当日はシャンプーしない
染料が髪に定着するには約24時間〜48時間かかると言われています。染めた当日は、お湯でしっかりすすぐだけに留め、シャンプーは翌日の夜からにしましょう。
② カラーシャンプー(アッシュ系)を使う
オリーブアッシュの色落ちを防ぐには、カラーシャンプーが最も効果的です。オリーブ(緑)が抜けると赤みや黄みが出てくるため、それを抑える「アッシュ(シルバー)系」や「紫(ムラシャン)」のカラーシャンプーを、週に2〜3回使うのがおすすめです。
③ お湯の温度とアイロンの熱に注意
熱は色落ちの最大の敵です。キューティクルが開き、色素が流出してしまいます。
⚖️ 色持ち対策 NG vs OK
❌ NG(色がすぐ抜ける)
- 40℃以上の熱いお湯でシャンプー
- 洗浄力の強い(高級アルコール系)シャンプー
- 髪が濡れたまま寝る
- 180℃以上の高温で毎日アイロン
✅ OK(色持ちアップ)
- 38℃以下のぬるま湯で洗う
- アミノ酸系などマイルドな洗浄力のシャンプー
- お風呂上がりはすぐに乾かす
- アイロンの温度は160℃以下に設定
日々のヘアケア(ヘアケア)が、セルフカラーの仕上がりを左右します。
よくある質問(FAQ)
- Q1: ロングヘアですが、薬剤は1箱で足りますか?
- A1: いいえ、絶対に足りません。肩を超える長さの方、髪の量が多い方は必ず2箱準備してください。薬剤不足は、色ムラになる最大の原因です。たっぷり塗ることが成功の秘訣です。
- Q2: 緑が強く出すぎてしまいました。どう直せばいいですか?
- A2: 緑が強く出た場合、慌てて染め直すのは危険です。まず、通常のシャンプーを数日続けると、緑は自然に薄れていきます。緑の補色は「赤」ですが、セルフで調整するのは非常に困難です。どうしても気になる場合は、美容室で「色味の補正」を相談するのが一番安全です。
- Q3: パッチテストは毎回必要ですか?
- A3: はい、絶対に毎回必要です。アレルギーは花粉症と同じで、体質が変わることで突然発症します。昨日まで大丈夫でも、今日発症する可能性があります。安全のために、染める48時間前のパッチテストを習慣にしてください。
まとめ
オリーブアッシュのセルフカラーは、赤みを消すための「薬剤選び」と「塗布技術」が成功の鍵です。泡タイプは手軽ですが、赤みを本気で消したいなら、ロレアルパリの「7NG」のような緑がしっかり入ったクリームタイプがおすすめです。
最も重要なのは、薬剤をケチらず、4分区で襟足から丁寧に塗布すること。そして、48時間前のパッチテストは絶対に忘れないでください。
この記事で紹介した手順(髪の染め方)を守れば、セルフカラーでも透明感のあるキレイなオリーブアッシュは実現できます。ぜひ、トレンドカラーを楽しんでくださいね。実際の塗布手順は、私のYouTubeチャンネル(髪技屋さんチャンネル)でも動画で確認できますよ。
📚 参考文献
- 花王株式会社「リーゼ」公式サイト
- ホーユー株式会社「ビューティラボ」「クレオディーテ」公式サイト
- 日本ロレアル株式会社「ロレアルパリ」公式サイト
- ヘンケルジャパン株式会社「フレッシュライト」公式サイト
- ホットペッパービューティーマガジン
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