【2025秋】最旬トレンド|B-ex KIRATERA ココアブラウンでライトブラウンに深みを出す染め方

読了時間:約10分 | 難易度:★★★★☆(中級者〜上級者向け)
この記事の結論: KIRATERAココアブラウンの特性を活かし、暗いトーンを10〜20%ミックスすることで、ライトブラウンにツヤと深みを与えられます。
【2025秋】最旬トレンド|B-ex KIRATERA ココアブラウンでライトブラウンに深みを出す染め方

はじめに:2025年秋、ライトブラウン客への「深み」提案が鍵

2025年秋のトレンドは「深みのあるブラウン」であり、KIRATERA(キラテラ)のココアブラウン(CB)が最適な薬剤です。美容師歴20年以上の「髪技屋さん」です。2025年秋のサロントレンドは、夏のハイトーンから一転し、ツヤ感と深みを重視した落ち着いたトーンが主流になります。特に「ココアブラウン」や「チョコレートブラウン」といった、赤みを抑えつつも温かみのある色がお客様の支持を集めるでしょう。この記事では、B-ex (ビーエックス) の最新カラー剤「KIRATERA」のココアブラウンラインを使い、既存のライトブラウン毛(8〜10レベル)に上品な深みを加えるプロの技術を徹底解説します。

2025年秋のトレンド背景とココアブラウンの役割

お客様のニーズは「脱ブリーチ」と「髪の美しさ」に向かい、ココアブラウンがその両方を満たします。近年の「髪質改善」ブームの影響もあり、お客様は単なる色味だけでなく、髪そのものがキレイに見えることを強く求めるようになっています。2025年秋は、夏の紫外線で明るく褪色した髪を「落ち着かせたい、でも暗くしすぎたくない」というニーズが爆発的に高まる時期です。

私のサロンでも、明るいベースを活かしたトーンダウンの相談が増えています。ここで活躍するのが、KIRATERAのココアブラウン(CB)ラインです。KIRATERAは、従来のブラウン系薬剤と異なり、高濃度・高発色ながら残留しにくい「Core Shade処方」が特徴です。これにより、次回のカラーチェンジを妨げることなく、今求める「深み」と「ツヤ」を的確に表現できます。

明るい髪(ライトブラウン)にただ暗い色を乗せると、濁ったり沈み込んだりしがちです。しかし、ココアブラウンの持つ絶妙な赤みとブラウンのバランスが、黄ばみを抑えつつ血色感のある上品な深みを与え、2025年秋のトレンドを牽引するスタイルとなります。

KIRATERAココアブラウンで「深み」を出す技術的ポイント

「深み」の正体は「彩度」であり、2レベル下の薬剤を10〜20%ミックスすることで実現します。ライトブラウン(例:10レベル)に深みを出そうとして、仕上がり希望の8レベルの薬剤を単品で使うと、ただトーンダウンするだけで「深み」は出にくいです。プロが狙うべき「深み」とは、明度を下げつつ彩度を上げることです。

KIRATERAでこれを実現する最も効果的な方法は、希望明度の薬剤に対し、それより2レベル暗い同系色の薬剤を10%〜20%添加することです。例えば、10レベルのベースから8レベルのココアブラウンに仕上げたい場合、CB/8をメインにしつつ、CB/6を少量加えます。

「Core Shade処方」とは: KIRATERAの技術的特徴。各色ごとに中核となる染料を設定し、高濃度で配合。これにより、アンダー(ベースの髪色)に左右されにくい強烈な発色と、残留ティントの剥がしやすさ(カラーチェンジの容易さ)を両立させています。

この技術的ポイントは以下の通りです。

  • 暗いトーンの役割: 低明度の薬剤は、高明度の薬剤よりも染料濃度が高いです。これを少量加えることで、全体の明度を大きく変えずに彩度(色の濃さ)だけを引き上げ、結果として「深み」が生まれます。
  • オキシの選定: 既に明るい髪への施術(トーンダウン)が基本となるため、オキシは3%または2%を選定します。KIRATERAはローアルカリ処方のため、低オキシでも染料がしっかり浸透し、ダメージを最小限に抑えながら深みとツヤを付与できます。
  • KIRATERAの特性: KIRATERAの基本調合は1剤:2剤 = 1:2です。この2倍のオキシが、薬剤の伸びを良くし、塗布ムラを防ぎながらローアルカリでの発色をサポートします。
今日の技術を実践!

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施術手順と調合レシピ:KIRATERAココアブラウン

正確なアンダー診断と、10%の「深み」用薬剤の添加が、施術成功の全てです。ここでは、最もオーダーの多い「10レベルの褪色したライトブラウン」をベースに、「深みのある8レベルのココアブラウン」に仕上げる手順を解説します。

⚠️ 重要な注意事項

ヘアカラー施術の48時間前には、必ずパッチテスト(皮膚アレルギー試験)を実施してください。アレルギー反応が確認されたお客様への施術は絶対に行わず、専門医の診断を勧めてください。

📋 深みを出すココアブラウン 施術手順

STEP1

アンダー診断と薬剤選定(ベース10レベル)

STEP2

調合(CB/8 + CB/6 + OXY 2%)

STEP3

塗布&放置(20分自然放置)

STEP1:アンダー診断とカウンセリング

ベースの状態を確認します。今回は「10レベルのライトブラウン(黄みが強い褪色毛)」と仮定します。お客様の希望が「8レベルくらいの、ツヤがあって深い感じのココアブラウン」であることを確認します。この時、「暗くする」ではなく「深みを入れる」という言葉を使うことで、仕上がりイメージのズレを防ぎます。

STEP2:調合(1剤:2剤 = 1:2)

仕上がりを8レベルに設定します。ベースが10レベルで黄みが強いため、CB(ココアブラウン)ラインの持つ薄いバイオレットみが黄みを自然に補正してくれます。ここで「深み」を出すために、CB/6を10%ミックスします。

基本調合 (ミディアムヘア目安):

  • 1剤: KIRATERA CB/8 (45g) + KIRATERA CB/6 (5g)
    • 合計1剤量: 50g (※CB/6の比率は全体の10%)
  • 2剤: KIRATERA OXY 2% (100g)
    • ※1剤:2剤 = 1:2 を厳守

オキシは、ダメージを考慮しトーンダウンを確実に行うため2%を選定します。もしベースがバージン毛に近い健康毛で、染まりにくい髪質の場合は3%を使用しても良いでしょう。

STEP3:塗布・放置・乳化

薬剤はKIRATERA独自の粘性(1:2ミックス)で操作性が良いため、スピーディに塗布します。特にダメージが出やすい毛先は、薬剤の反応が早いため、中間から塗布し、時間差で毛先に塗布する(または毛先だけクリアを少量混ぜる)などの工夫も有効です。

  • 放置時間: 自然放置で20分。KIRATERAは発色が早いため、15分頃からチェックを開始し、希望の深みが入った時点で乳化に進みます。
  • 乳化: しっかりと乳化することで、色ムラを防ぎ、頭皮への負担を軽減します。KIRATERAは残留しにくいとはいえ、丁寧なシャンプー・トリートメントで仕上げます。

📊 KIRATERA ココアブラウン調合レシピ表

ベース状態 (アンダー) 調合レシピ (1剤:2剤 = 1:2) 放置時間 施術時間(目安)
10レベル(黄み褪色・中ダメージ) KIRATERA CB/8 (45g) + CB/6 (5g) + OXY 2% (100g) (仕上がり目安: 8レベルの深み) 20分 約90分
12レベル(ブリーチ毛・高ダメージ) KIRATERA CB/8 (40g) + CB/6 (5g) + Clear (5g) + OXY 2% (100g) (仕上がり目安: 8.5レベルのシアー感) 15分 約90分
8レベル(新生部あり・低ダメージ) 【新生部】CB/8 (30g) + OXY 6% (60g) 【既染部】CB/8 (20g) + CB/6 (5g) + OXY 3% (50g) (仕上がり目安: 8レベル均一) 30分 約120分

プロのコツとNG例 (KIRATERAココアブラウン編)

成功の鍵はオキシ選定と「深み」の比率、失敗の多くは沈み込みの見極めミスです。KIRATERAは高発色な薬剤だからこそ、ベースの見極めが重要です。特にライトブラウン毛への対応にはいくつかのコツがあります。

顧客対応のコツ

お客様に「ココアブラウン」を提案する際は、「ただ暗くするのではなく、秋らしいツヤと奥行きを出すカラーです」と伝えましょう。「ココア」という言葉から、お客様は「甘さ」や「赤み」を連想する場合があります。仕上がりのイメージ(赤みを抑えたビターなココアなのか、少し温かみのあるミルクココアなのか)をすり合わせることが重要です。KIRATERAのCBラインは、比較的赤みを抑えたクールなブラウン寄りのため、もし赤みを足したい場合はピンク(P)ラインを少量(3〜5%)加える提案も有効です。

髪質別アプローチ例

  • 細毛・軟毛(沈み込みやすい髪質): 最も注意が必要な髪質です。レシピ(CB/8 + CB/6)のままだと、CB/6の染料が一気に入ってしまい、毛先が9レベルまで沈むことも。 対策: KIRATERA Clearを10%〜20%添加して染料濃度を薄めるか、オキシを3%に上げてリフト力を少し持たせ、沈み込みを防ぎます。
  • 硬毛・太毛(染まりにくい髪質): 深みが出にくい髪質です。 対策: CB/6の比率を15%〜20%に引き上げます。または、ベースのオキシを3%に設定し、染料の浸透を促進させます。放置時間も25分〜30分と長めに設定します。

⚖️ ココアブラウン技術 NG vs OK

❌ NG例
  • 高ダメージ毛に2%オキシで暗い薬剤を乗せ、毛先が沈む
  • 「深み」を出そうと暗い薬剤を30%以上混ぜ、ただ暗くなる
  • 黄み補正を意識せず、仕上がりが緑に寄る(マット寄りになる)
✅ OK例
  • ダメージ毛にはClearを10%混ぜて沈み込みを予防
  • 「深み」用の暗い薬剤は10%〜20%に留める
  • KIRATERA CBラインの特性を信じ、過度な補色を入れない

失敗時のリカバリー方法

⚠️ KIRATERAは高発色なため、特にダメージ毛では沈み込み(暗くなりすぎ)に注意が必要です。

  • 沈み込みすぎた場合: KIRATERAは幸い残留ティントが剥がしやすい設計です。慌ててブリーチを使わず、まずはB-exの「ティントクリア」(脱染剤)を使用します。ティントクリアと6%オキシ1:2〜1:3でミックスし、暗くなった部分に塗布します。5〜10分で染料が抜け、1〜2レベル明るくなります。
  • ムラになった場合(根元が明るいなど): 根元が明るく浮いてしまった場合、残った薬剤にCB/6を追加(または補色としてスモーク(MS)やグレー(DG)を少量)し、オキシを2%に下げて根元に再塗布します。5〜10分でトーンが合いやすくなります。
  • 色が入らなかった場合: 硬毛や撥水毛で染まりが浅かった場合、オキシ濃度が低すぎた可能性があります。流さずに、上から希望色の薬剤(例:CB/8)を3%オキシ(1:2)で作り直し、重ねて塗布します(「追いカラー」)。放置時間は10〜15分追加します。

オキシ濃度と「深み」の関係性比較

オキシ濃度は「リフト力」だけでなく「沈み込み防止」の役割も担います。ライトブラウンへのトーンダウン施術では、オキシの選定が仕上がりの「深み」と「透明感」を大きく左右します。KIRATERA (1:2ミックス) の場合、特に2%と3%の使い分けが重要です。

📊 オキシ濃度別 効果比較 (10レベルベースに使用時)

オキシ濃度 特徴 推奨ケース
KIRATERA OXY 2% リフト力はほぼ無い。染料を効率よく浸透させる。ダメージ最小限。 高ダメージ毛、ハイトーン毛へのトーンダウン。沈み込みやすい髪質。(※ただしClearでの調整推奨)
KIRATERA OXY 3% ごく僅かなリフト力(0.5レベル程度)を持つ。染料の浸透を助けつつ、沈み込みを防ぐ。 中ダメージ毛、硬毛。透明感を残しつつ深みを出したい時。
KIRATERA OXY 6% 明確なリフト力を持つ。トーンダウン目的では基本的に使用しない。 新生部のリフトアップ時のみ使用。ブリーチカラー後のオンカラーでも強すぎる場合がある。

私の経験上、10レベル以上のベースに2%オキシを使うと、薬剤の発色が良すぎるあまり、希望より1レベル暗く沈む事故が起こりやすいです。あえて3%オキシを選定し、微細なリフト力で髪内部のスペースを作りながら染料を入れることで、透明感を伴った「深み」が出ることが多いです。

よくある質問(FAQ)

KIRATERAの基本(1:2ミックス)と、深みを出す技術(10%ミックス)への質問が多いです。

Q1: KIRATERAカラーの最大の特徴は?
A: 「高濃度・高発色」と「残留ティントの剥がしやすさ」の両立です。「Core Shade処方」により、アンダーに左右されにくい鮮やかな色を実現しつつ、次回のカラーチェンジがしやすいよう設計されています。プロのヘアカラーレシピにおいて非常に使いやすい薬剤です。
Q2: KIRATERAの基本ミックス比率と放置時間は?
A: 基本ミックス比率は、1剤:2剤 = 1:2 です。オキシ(2剤)が2倍必要になる点を注意してください。放置時間は、自然放置で20分〜30分が目安です。
Q3: ライトブラウンに「深み」を出す簡単なコツは?
A: 最も簡単な方法は、希望の明るさの薬剤(例: 8レベル)に対し、同系色の2レベル暗い薬剤(例: 6レベル)を10%〜20%ミックスすることです。これにより、明るさを大きく変えずに彩度(色の濃さ)が上がり、深みが出ます。
Q4: KIRATERAココアブラウン(CB)で赤みや黄みは調整できますか?
A: CBラインは、黄みを抑えるための薄いバイオレットニュアンスを含んだブラウン設計です。ベースの黄みが強い場合は自然に補正されます。もし、より赤みを加えたい(温かみのあるココアにしたい)場合は「P (ピンク)」ラインを、赤みをしっかり消したい場合は「MS (ムードスモーク)」や補色の「Green」を、それぞれ5〜10%の範囲で添加して調整します。

まとめ:KIRATERAココアブラウンで秋のトレンドを制する

2025年秋のトレンドカラーである「ココアブラウン」は、夏の褪色した髪に悩むお客様への最適な提案となります。B-ex KIRATERAのココアブラウン(CB)ラインは、高発色と低残留というプロ美容師が求める性能を備えています。

ライトブラウンのベースに「深み」を出す技術は、決して難しいものではありません。アンダーを見極め、2レベル暗いトーンの薬剤を10%加えること。そして、ダメージレベルに合わせてオキシ(2%または3%)Clearを使いこなすこと。この基本を守るだけで、お客様が感動するほどのツヤと深みを表現できます。

この記事で解説したプロ美容師向けのトレンドカラー技術を、ぜひ明日からのサロンワークに活かしてください。技術の詳細は、私のYouTubeチャンネルでも解説しています。

▶ 動画でKIRATERAの施術手順を解説 (YouTube)

📚 参考文献

  • 株式会社b-ex (ビーエックス) 公式サイト (KIRATERA製品情報)
  • KIRATERA カラーチャート (B-ex)
  • 日本ヘアカラー協会(JHCA) 2025年カラートレンド予測

※本記事はプロの美容師向け技術情報であり、セルフカラーを推奨するものではありません。アレルギーや症状が気になる場合は医師に相談してください。

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【髪技屋さんのプロフィール】

■ 美容師歴・実績: 20年以上のベテラン美容師。🏆 全国大会入賞、📝 美容専門誌掲載の実績を持つ。

■ 活動内容: 髪の知識・技術全般の講師としても活動。プロも支持する技術で髪の悩みを解決。

■ YouTube: 動画数 1200本以上、総再生回数 2700万回、登録者 3.8万人を達成。

■ ブログ: 記事数 700本以上。ヘアケア、カラー調合、骨格別ヘアなど、髪のあらゆる疑問を解決。